蝋人形の部屋

実話ですが、信じられない事、本当に恐ろしい事ってあるんだなと身震いした事件です。

今、僕は大学2年。普通に大学生やっています。その件で取り憑かれた、呪われたとかはありません。ただ、なんであんな場所が。あんな事が…今でも鮮明に思い出します。長文お許しください

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K県の海に向かう市。その片田舎に僕達は住んでいます。漫画の題材にされる事が多い地域で、場所柄やんちゃに育ちやすく、当時名前だけの進学校と呼ばれる高校に通っていた僕も、休みになるとDQN(古w)な地元の友達と遊んでいました。

それは高2の夏休みでした。友人宅で5人(僕、A、B、C、Dとしましょう)で飲んでいたのですが。特にすることもなく、

「何か面白いものを見よう」

と誰からともなく言い出しました。

A「そういや俺最近怖いビデオ?ってやつはまっててな」
C「おっいいね夏だし」
僕「レンタルショップで借りてくっか」

そんな感じで呪いのビデオシリーズ(?)を夜通し見ていると空気的にも「肝試しがやりたい」となりました。Aはバイクを早くにとり、先輩に連れられて色んな所に行ったせいか、心霊スポット好き。そんな彼に原付でよくついていったのを、今でもよく覚えています。

B「けどここら辺の心霊スポット殆ど行ったよな?」
C「Kトンネルも例の病院もたいした事ないじゃん」
僕「ん〜どっかねえもんかなぁ」
A「Cん家の前の墓は?」
C「バカ!先祖眠ってるわw」
D「俺、いいとこ知ってるぜ」

唐突にDが言い出しました。そいつは高校を中退して土木関係の仕事をやっていたため、周りのメンバーより地元を知る機会が多かったようです。

D「ちょっと幽霊とは違うかもだけどさ、」
「何何それ!?」

とみんな興味津々

D「この前※※大学の近くで仕事だったんけど、立ちションしに森ん中入ったらな、何か家?っていうか石でできた剥き出しの部屋みたいなのがあったのよ」
「? 全然分からん。家?建物?」
D「いや、いってみりゃわかる。で。明らかにそこ人住んでるわけ。布団とか冷蔵庫とか、色々置いてあんだよ」
「???剥き出しなのに?」
D「そう。で家の外とか旗立ってて。小さい字で書いてあったんで読もうと思ったら急に妙な気配感じて逃げた」
C「わっけわからんw」
B「その気配とやらも疑わしいわw」
僕「さすがDw」
A「まぁ要は不気味だと」
D「そう!!何かおかしい感じ!」
A「いいじゃん!たまには自分達で発見するのもわるくねー」

幸いそこは原付で5分もかからないところにあり、完全に勢力範囲。夜3時。絶好の肝試し時。ほどなく目的地に着き、好奇心でいっぱいでした。今思えば、何でそんなことになったのか…

Dがいう森ではなく竹林で、結構深いのですが、人が入っていった跡があります。近くの人が頻繁に使ったのでしょうか。大勢でも支障ありません。

A「ここか?」
D「そう。ここはいってった」

妙にくねくねした道で、なんでこんなところに立ちションきたんだろうと思いつつ、数分歩くと道がなくなり、前が広がりました。

そこの真ん中に、Dが言ってた物はありました。

Dの拙い説明どおり、そこには子供の頃積み木で作ったような、石造りの建築物があります。7段ほどしかない階段もあり、山の休憩所の出来そこないみたいな感じです(説明ひどくてごめんなさい。大きさは公園のアスレチックレベルと考えてください)

そして、冷蔵庫(電気どっからでてんだ)を始め、人間の生活を支える家具がいたるところに。どれもがそこそこ綺麗なため、人がすんでいると見て間違いありませんでした。

D「あっそういや旗!」
僕「電気で照らそうぜ」

『爆弾を落とす事は正義である。殲滅すべし。敵は亜細亜と…』

A「??なんじゃこの電波な文章。右翼かなんかかな。」
C「建物といい文章と言い、ほんと意味不明だな」

近くにはお経のような文章が書いてあるぼろきれも落ちていました。アホな高校生を引き込むには、十分すぎるネタでした。

B「おーい!こっち!!みんなこーい」

一人でその建築物見回っていたBからです。はしゃいだ声でみんなを呼びます。

「どした?」
B「これ!」

Bの指差すほうには、真っ暗な階段。何かを隠すように、ただただ下へ続いていました。。夜のせいもあって、一層暗く、不気味に佇んで。

A「こわっ…」
C「こりゃやばい」
僕「なにあんだろ」
D「入ってみようぜ!」
B「バカ!俺はやだぜ!」
A「ジャン負け2人だなー」
「じゃんけん、ぽん!」

結果、僕とDが行く事になりました。僕はメンバーの中でももやしでヒヨリなので、Dについていく形で。それでも半分残った好奇心でゆっくり進んでいきました。

(長い…)

人家の階段にしては長すぎでした。本当に真っ暗で、携帯のライトがもう入り口まで届きません。一段一段降りていくたびに、不安がより近くに感じてきました。

D「痛っ」
僕「行き止まりか?」
D「いや、ここだけ木だぞ」
僕「ドアか」
D「あけてみよ」

思ったより簡単に開いたドアの向こうは、信じられない光景、いや、異様な光景が広がっていました。部屋の中央に置かれた、大きすぎる蝋燭。そしてそれを見つめるように小奇麗に並べられた、無数の人。

それが蝋人形だとわかるまで、時間はかかりませんでした。小さい時ロンドンの博物館で見た、それと一緒。ただ、この部屋と闇がとてつもなく不気味に見せる。心なしか笑っているようにも見えるそれらは、今にも動き出しそうで。

僕「やっやっyば…」
D「なんなん…なんだこれ???」
僕「帰ろ!」
D「…いや、もうちょい見ようぜ」

ビクビクしながらもDに言われるまま、部屋を調べました。部屋は割と広く、十畳以上はありそうな。窓はなく、蝋の明かりがなければ完全に暗黒。中央の蝋の下は絨毯と皿がひかれていて、等身大の蝋人形は壁に立てかけるように置かれていました。

ライトで照らしてみると、どれも精巧な蝋人形と言う様相。。男、女、姿、形。そのどれもがバラバラで。一見人と勘違いしても無理はなさそうなくらい。部屋は定期的に磨かれているようで、ほこりすらありませんでした。

D「ん?」

2人ともほぼ同時に、一つの蝋人形を見つけました。やけに古そうな、上半身のみの人形。中でも目立って不気味で、何かを発するような異様な雰囲気。

よせばいいものの、Dが面白そうにそれを手にとりました。裏返すと、いかにもいかついお札のようなものが貼ってあり、何か黒い線が、お札に隠れるように少し顔を出して。

僕「何か書いてあるな」
D「はがすか」
僕「やめろって!」
D「ここまで来たらやるしかないだろ!」

『ビリッ』

??

『3』

それだけ書かれていました。数字で「3」と。

D「これだけか?」 僕「いや、やばいってこれ!そろそろ出ようぜ!」 D「まぁ、そうだな」

そういって振り向いた時でした。

開いてる?

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