投稿者:マサル
タイトル:足だけ
オレが十代のころ体験した話。
オレがまだ不良ぶってた16歳ぐらいのとき仲間たちとよく、出ると噂の公園で飲み会をしていた。その公園って言うのが、道路側は広場になってて広場から奥に入って行くと長い階段があり神社へと続いてる作りの公園だった。
季節は梅雨どきだったと思う。その日も女二人、男二人で飲んでたんだ。ガキンチョの集まりだから恋愛の話しとか将来の夢とか語ってたんだけど、いつのまにか話題は怪談話に変わってた。
女二人がキャーキャー喚いてるのが面白くなってきたオレたちは、男二人で出ると噂の神社に行って本当に出るのか確かめに行こうという話しになった。女二人は止めたが粋がってたオレらは神社に続く階段へと向かって行った。
オレと友人は二人で口裏を合わせて女二人には幽霊が出たと言おうと話しながら階段の前に立った。
下から覗いても真っ暗で不気味だった。階段を昇ろうと近づいていくと立ち入り禁止の札がかかっている。こないだまでは普通に登れたのになんでだろう?と話しながらオレと友人は階段の上のほうを覗きこんだ。
その瞬間、オレらは顔を合わせたあと、猛ダッシュで逃げた。階段の中腹あたりに幼稚園ぐらいの子供の足が見えたのだ。
時間は深夜、いくらなんでも子供はいないだろう。という話しになり二人の見間違えってことで落ち着いた。実際は、その結論は幽霊を見ちゃったんじゃないか?という不安を打ち消すための言い訳だったと思う。
ネタ的には面白いと女二人のところに戻ったオレらは今、見たことを女に話した。女のうち一人は泣きそうな顔をしながらキャーキャー喚いてた。
だけど、もう一人の女の様子がおかしい。顔が真っ青でうつむいている。
そんなに怖かったのかよとからかう。うつむいてた女は急に顔をあげて
「本当に見たの?」
としつこく聞いてくる。オレらが見たよと答えると女は
「どんな靴?」
とか
「いくつくらいにみえた?」
とか聞いてくる。オレらは幼稚園ぐらいの子供の足で、青い靴履いてたから男の子だと思うよ。と答えた。すると女が話し出した。
「実は皆が怖がると思って言ってなかったけど・・・」
「立ち入り禁止になってたでしょ?階段」
「あれ3日くらいまえに幼稚園ぐらいの男の子が階段から落ちて亡くなったからなんだよ・・・」
それから女もオレらも終始無言になり変な空気のまま飲み会はお開きになった。あんまり怖くないけどオレの体験談です。
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