投稿者:マヤや

タイトル:懐中電灯の光
私の地元に今は使われていない、二階建ての大きなダンスホールがある。そこは、戦後にアメリカ兵の娯楽の為に作られた。しかし、大火事で使われなくなったが、何故か建物はちょっと壊されただけで、しっかりと残っている。

ある日、友達三人で肝だめしでダンスホールに行った。入り口まで着くと、霊感の強いA子が

『ちょっと気持悪いから、ここで待っとく』

と言い出した。少し説得したが、断固として断るのでA子を残してダンスホールに入った。

雰囲気はかなりあったけど、これといったことはなくそのまま二階に行き、下にいるA子に向かって、持っている懐中電灯を手を振るように振って名前を呼んだ。しかし、A子の顔が青ざめている。そして

『すぐに戻ってきて!』

とA子が怒鳴った。慌て戻り訳を聞いたが、その日はこたえてくれなかった。

翌日、A子に追求すると話してくれた。

『呼ぶ声がしたから二階を見上げたの…そしたら、みんなが振っている懐中電灯の光が、大勢の死人の顔を写っていたの』
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