投稿者:みそじ
タイトル:お前の方が怖かったわ!!
代々ウチは神道を継ぐ家系がら家族それぞれが非現実的な所謂霊的な者に遭遇する機会が多い。これは私の体験の一つ今から16年前、当時中二の頃の話し。
当時私は長男と言うことで事あるごとに”お前はウチを継ぐ者”なんだからと何か悪さをするたびに親や祖父に良く怒られていた。それが凄く嫌だった私は中学一年の半ばには立派な不良街道を突き抜けていた。
中二になって間もない頃のある日、天気が悪く小雨が降っていたのでいつもたまり場にしていた屋上が使えず、体育館に仲間4人と行ったが体育館は勿論授業中なので使用されており空いている所を探した、その日にかぎって何処も鍵がかかっていたり使われていた、運よく空いていたのは放送室。仕方ないので狭いが放送室で話し込むことにした。
一時間くらい馬鹿話していたが、狭い空間に馬鹿が5人、いい加減飽きてきたので放送室の放送スイッチを押して喋ろうと言うことになった。
一致団結した馬鹿5人、まず(以後悪友A、B、C、D、私みそじとします)Dがスイッチを入れてマイクを持ち当時イジメていた奴の悪口を言った。馬鹿笑いしながら次にBが同じくそいつの悪口を叫んだ。
次にCは当時付き合っていた彼女を実名で
「○○愛してるぞ〜!!」
と叫んだ。
コイツは馬鹿だ!!とその場で大爆笑!
その瞬間だった。
空気が違う、明らかに空気変わった。俺の仲間を見たがB、C、Dはまだ馬鹿笑いしている。A…奴は完全に顔付きが変わっていた。三人が馬鹿笑いしているにも関わらず…その時囁くような声が聞こえた。Aは明らかに怯えている。
俺がAを見ているのを不思議に思ったのかB、C、Dも馬鹿笑いを止め視線をAに向けていた。俺は瞬時に違和感の正体を理解していたが、A以外の三人はそういうのは鈍いんだろう。
Aが目で俺に訴えていた。俺がAに喋ろうとした時、また聞こえた。
「…かしい…何が…しい…。」
Aの顔色が同時に引き攣りが激しくなった。
Aは俺ほどではないんだろう。瞬時に理解した俺はAに近付いて肩を叩いてやった。Aは同時に勢い良くドア側に逃げた。
B、C、Dが奇声をあげる。
Aがいた場所、つまり私の目の前には女の子がいた。
「何がおかしい!!」
今度ははっきりとわかる口調で大声で女の子が叫んだ。
その時、教室が3人ドアを開け雪崩こんできた。そりゃそうだ、校内放送のスイッチが入っていたんだからな。
教師が俺達を怒るつもりだったんだろう、教師の一人が叫んだ。今でも”面白すぎて”覚えている
「何しとるんや!!お前…ぎゃあぁぁあ!!」
勢い良く入って来た3人の教師達もB、C、Dの悲鳴に共鳴しただけだった。
私は視線を元に戻した。
女の子は勿論まだいた。
私は彼女に言った。
「おぅ!お前な10点じゃ!!何わけわからんこと抜かしとるんじゃ!?そら面白すぎて笑われるわボケ!鏡見て出直してこいや、出来んのやったら二度と現れるな!その面もっと形変えたろか!!」
目の前の女の子の鋭い視線が見る見るうちに泣き顔に変わって行った。と同時にいかにも腐敗していましたの身体も徐々に生前の彼女だろう姿に戻っていった。
続けざま私は言った。
「やりゃ出来るやんけ、人間の前に現れるやったら人の形になってこい、アトなお前の事を笑った奴は”この場”にはおらん、意味わかったな?ほな”ドア”から出ていけ。〇〇”先輩”。」
女の子は泣き顔のままB、Cの間を抜け教師(この時教師の一人は泣いていたのを覚えてる)の身体をすり抜けてドアから出て行った。
…彼女が消えてから一瞬の間を開けまた叫び声が放送室に響く。
…目線はみんな私に向けてだ!!
エッ?…なんで?
考える間も無く罵声と奇声が飛び交う。
「有り得ん!!終わっとるわお前は!!」
「鬼か!お前は!!」
「泣いてたやん!お前…泣かしてるやん!!」
「だ…誰と喋っとんねん!あれ人間ちゃうやろ!!」
…おいおい…俺悪者やん…。
…まぁこの後、我に返った教師達に怒られ会議室に全員呼び出されて永遠と説教。説教が終わった後A、B、C、Dは開放され私だけが残された。私だけが正気だったからだろう、いくつか質問された。
何故女の子が○○だとわかったのか?彼女は何をしたかったのか等…くだらない質問だった。
この学校では俺が入学する一年前の夏に放送室でイジメを苦に自殺した女子生徒がいて夏休み中と言うこともあり発見が遅れ腐敗がかなり進んでいた、それ以来度々彼女の霊が出ることは有名だった。
中学校なのだ、この手の話しは中学生徒には恰好のネタになる。だから俺が入学した時にはそんな話しは勿論死んだ女子生徒の名前も知っていた。
あの時名前を出したのは直感的にその子だと思ったからだ。彼女はイジメを苦に自殺したのだ、だから俺達みたいな奴等には特怨みの対象になっていたのだろう。等を説明した。
開放された時泣いていた教師が私には言った
「○○は俺の生徒だった…それがあんな姿で…。でもな…俺は…」
教え子だった生徒があれじゃ複雑な気持ちになるのはわかる。だが彼の言葉は俺の考えを一気に吹き飛ばした。
「俺は…お前の方が怖かったわ!!…」
ちゅうか…教師までこれかい!
さらに不幸なのは…この一連の事件は校内にいた全校生徒と全教師も放送を聴いていたと言う事実。(ちなみに霊の声もバッチリ聞こえたらしい。)そして私はこの一件以来”歩く生悪魔”とか、”ラスボス”とか呼ばれた。その後心霊スポットには必ず連れていかれ、校内では霊的な相談は必ず私の所に話しが回ってくるようになった……。
未だに同窓会ではこの話しをネタにされ、事件のあった出身校では”学校の怪談”として私の事が伝説の悪魔扱いされている…。
大阪の某中学校(全校生徒規模1000人以上)での話し。
A…お前だけだったな、感謝してくれたのは…。今でもコイツとは連絡を取る仲だ。
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