小学校四年から、変な夢を見るようになった。

当時僕はイタズラされやすい、遊び仲間には入るけど最も見下されているというジャイアンからの、のび太みたいなキャラだった。それでもイタズラが苦しいでもなく。ただ、デジャヴのような夢がひたすら恐怖だった。

ある日こんな夢をみた。ぼろぼろの毛皮を体に巻いて農作業をしていた。周辺には何もなく、弟(僕には弟はいませんが)と一緒に農作業をしている。と、急に空から枝が降り注いだ、僕の左腕と右モモにささり激痛で目を覚ました。朝になっていた。微妙にズキズキしながら登校し、学校であるイタズラをされた。算数セットという教材に入っている緑色のゴムを授業中指鉄砲で当てられた。夢の中の場所と同じ二箇所に当たった、痛くはなかった。

その夜こんな夢を見た ある小さな村、その村の主と思われる屈強な男の側近として座っていた。主が占い師(呪い師?)を呼び、今後の検討をし始めた。占い師は

「この村は隣村から呪いが掛けられている、すぐにその呪いを断ち切るべく村を滅ぼさなければならない」

主は兵を連れて隣村へ攻め込んだ、そこで私が目にしたのは二人の男が農作業している所だった。しかし夢の中の私はそれに対して何も感じずに攻め込んだ。不意打ちに成功した主と兵たちはその村を自分の村に組み込むことにした。生き残り逃れた農民も居た。その男は私を石で殴り殺した。全身と、特に頭の激痛で目を覚ました。そして農作業をしていた男の一人は昨日の夢の弟だった。その日、学校で掃除の時間に石を投げられ頭を怪我した。

それ以来、毎日そのような夢が続いた。誰かの人生の死に際をなぞる。その死因になる怪我の場所に何かしら何かがある。そして夢は次の夢に繋がる。

中学になり、あるとき仲の良かった先輩から百物語をやらないかと遊びを誘われた。ゲームで「百物語」というのが出て怪談好きな先輩はそれにハマり、実際にもやりたいとの事だった。夢などとっくに馴れた僕はとっておきの話として夢を話そうと思い、参加を決めた。

百物語は友人宅で行われた。集まった人数は15人ほど、広かった友人の部屋はぎっしり人が詰まってしまった。百物語と言っても真面目に蝋燭を百本用意したわけでなく、ゲーム「百物語」におまけで入っていた「百本の蝋燭を消していく工程を再現?」を使った。一応念のためにと冗談交じりに友人の父は皿に塩を盛り、部屋の入り口に置いた。

15人で回しながら怪談を続けていく。途中眠いものは勝手に眠ってよし、お菓子の買出しは10話毎に休憩を挟むのでその時に。打ち合わせも何もしておらず、途中ちょっと有名?な同じ話が何度も出てきたのを覚えている。(スクウェアゲーム、赤いハンテン、今度は殺さないでなど)で、70話をすぎると全員眠くなり、数人既に寝入ってるのでじゃあ話したいヤツの話が終わったらもう寝るかとなった。

とっておきということで僕は夢を話した、そのときはもう僕含め4人しか起きていなかった。僕はこんな夢を見て、こうこうこうして今も続いている。今朝は何人も立て篭もった屋敷に火を付けた。しかし炎上した屋敷から男が飛び出し僕に抱きついた。そのまま僕は燃え死んだ。

話が終わり特に三人は質問するでもなくそのまま次の、百物語を企画した先輩に変わった。

「これで最後にするか?よし、じゃあ・・・」

ゲーム百物語をして特に怖かったという話をした。町が呪われているとか何とかだった気がする。そしてその日、夢を見た。村での生活が余りにも辛く、地主へ皆で突撃するとかいう、一揆みたいなものを計画していた。しかし打合せしていた屋敷に火を放たれた。死ぬ思いで飛び出し近くに居た男に飛びついた。その男は僕の息子だった。先に寝ており翌朝早く目を覚ました友人が夢を見たと言った。自分の親が村人へ復讐(何故復讐かはワカラズ)しようと村人を騙して殺そうとしているという。それを聞いた自分は涙を飲みながら主の命令どおり放火したとの事だった。

偶然の一致だが、百物語の会話が寝ている友人の耳に入り夢を見たのでは、となった。

数年経ち、僕は高校を卒業、フリーターになった。彼女ができ、考え方が変わったのかその夢を見なくなった。が、あるとき先輩からこんな感じのメールが届いた。

「俺たちは毎年百物語を恒例化したんだが、奇妙な話を聞いた、電話したい、携帯番号XXXXXXX」

先輩は相当仕事が忙しいと聞いており、久しぶりに話そうと思い電話した。

「実は毎年百物語をしているんだが、段々とちゃんとした形になってきた。」

今では蝋燭をちゃんと百本用意してやっているとの事。合コンで知り合った女の子と仲良くなり、その子が彼氏が出来たので百物語に彼を呼んだ。僕と同じような夢の話で、立場が逆でこれから合う人間を先に殺してるという。そして恨みを沢山持って殺した相手ほど仲良くなるというのだ。そこにお前を連想させる事を結構言うのでなんとなく連絡してみたとの事だった。僕はデコにイタズラで付いた傷があり、顔の分かりやすい位置に黒子がある。その特徴をそのまま言ってきたのだ。

数日後、怪談をした彼に会い話を聞いた。暗い話になる訳でもなく、夢の一致点、同じような現場に居た事などもあり、話が盛り上がった。連絡を取れるようにお互い携帯とメアドを交換した。

その日、夢を見た。古い屋敷で百物語をしていた。行灯が蝋燭代わり。話の内容は覚えていない。そこである男が話を始めた。実は俺はこんな夢を見ている。最初は思い込みと思っていたがどうも怪しいのでここで話すことにする。連鎖する夢を見る。そして最後は必ず死ぬ。痛みで目を覚まし、次の日友人や客の誰かがその個所を怪我する。昨日、夢に実際の俺の祖父が青年として出てきた。火事になる前の村の風景が印象的だった。俺はもしかしたら夢の中の俺に殺されるんじゃないかと思う。百話終えて行灯を消すと沈黙、各々散り散りに帰ることになったが、帰り道、誰かに刺されて死んでしまった。

数ヶ月ぶりにあの夢だと不安に思った。そして彼に連絡することにした。彼も同じ夢を見ていた。

「俺たちってもしかしてそういう呪い受けてるのかもな。」

かなり怖い一言を言った。しかし切り返した。

「つっても百物語って江戸時代だろ?まだ現代まで時間あるって」

僕はようやくその頃に夢を不安に思うようになった。が、同時にオカシイ事に気付いた。江戸時代に手袋あったのか?夢の中で僕はなぜか現実で愛用していた手袋を付けていた。江戸時代に(ry もしかして思い込みの結果じゃないのか?死ぬんじゃなくて相手が話を併せてるだけじゃないのか?ちょっと疑問に思って寺のお爺さん(住職?)に聞いてみた。予想外な事を言われた。彼は祖母とは異母兄弟の家系だったらしい。私の祖母はどうも好ましくない生まれをしたらしい。で、もしかして血筋でそういうのを見るようになったのかと思った。お寺さんの紹介で霊能力者と名乗る人に会った。滅茶苦茶胡散臭かった。

「あんたの魂、二つに別れてるよ。」

デムパだと思った。

「潜在意識が繋がってる。あんたが思った感情は相手に伝わり、同じような思考をする。」
「多分夢もそれじゃないか、あんたかその彼がかは知らないが、そういう夢を見るようになったのは呪いとかじゃなくて、どちらかの思い込みなんだよ」
「それがお互いに意識しあって増長していったのさ」

そして俺と彼がデムパ発信受信機だということに気付いた。で、一安心したら一言怖いことを言ってきた

「ただ思い込んでると片一方が相手を殺しに来るかもねぇ」

ゾっとした。次の日彼を連れて同じ話を聞いた。

「二人ともその夢を見なくなれば良いのさ、悪いことを考えると悪循環だけどいい事を考えれば良い循環するよ」

それ以降、気にすることもなく数日過ぎると夢を見なくなった。が、先輩から連絡が入った

「彼が死んだ、事故死だ」

それから僕は別の夢を見ている、彷徨いながら片割れの僕を探して。
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