日記
7月10日
もうすぐ夏休みだ。今年の夏休みは、なんだかとてもいい事がおきそうですごくワクワクしている。
7月11日
来週から期末テストが始まる。テストが終わればいよいよ夏休み。待ちきれないな。
7月12日
本当はテスト勉強の予定だったんだけど、あんまりいい天気だったんで市営プールに行ってしまった。ちょっと罪悪感があったけど、それも隣のクラスのシマダに会うまで。学年1の美人と話しをしてしまった!でも、あんな秀才でも試験前にプールへ行ったりするんだな。秀才たがらこそ許されるのか。
7月13日
勉強はかどらない。なんだかやる気がおきない。夏休みの期末っていつもこうだ。ベッドにねっころがって、ずっとシマダのことを考えていた。あいつ絶対彼氏いるよな。あんなにかわいいんだもんな。そう考えたらますます何もする気がおきなかった。
7月18日
やっと期末が終わった。久しぶりの日記だ。試験の結果? 全滅の一言。なんか、もうシマダのことが頭から離れないや。シマダと会いたい。
7月19日
電話帳をめくったら、シマダの家の住所と番号がのっていた。当たり前だけど。
7月20日
シマダシマダ、ああ、せっかく夏休みがくるのに、なんかすっきりしない。シマダとつきあえたらなぁ。
7月25日
なにもやる気がおきない。こないだの月曜日、シマダが男(たぶん彼氏だろう)と歩いているのを見てからだ。ちくしょう。
7月30日
今日から家族は信州の別荘。勉強を言い訳にしてぼくは行かない。とてもそんな気にならない。夜、眠れない。
8月3日
なにもしない。夜も眠れない。あけがた、近所をうろついていたら、いがいと気持ちよかった。
8月4日
よなかから、うろうろする。たのしくないけど、ほかになにもするきがおきない。
8月6日
大変だ。シマダは今、ぼくのベッドで眠っている。夢みたいだ。実は今日の朝、いつものように近所を散歩していたら、道にシマダが倒れていた。乗っていたらしい自転車はバラバラで、どうやら車にひき逃げされたらしい。なんてラッキーなんだろう。自転車はスクラップ置き場に捨てておいたし、しばらくは見つからないだろう。
8月7日
昼過ぎ、一度シマダが目を開ける。思い切って告白したけど、意識がぼんやりしているみたいで、返事はしなかった。近所ではシマダの捜索が始まっている。
8月8日
なんでいままで気づかなかったんだろう。今日はじめてシマダに着替えをさせてあげた。シマダは思ったとおり、とってもきれいな体だった。ただ、あちこちにあざや傷があるのがいやだった。今日は一度も目を覚まさなかった。
8月・・・
きょうもめをさまさなかった。おしっこをもらしていたからおふろにいれてきれいにしてあげた。
しまだのかおがくらい。きょうはこんびにへいっておへやのこうすいというものをかってきた。これでへやのなかもくさくなくなるだろう。
しまだがとけてきた。こんびにへいっておへやのこうすいをかいにいってすごくへんなかおをされた。きっとぼくもくさいんだ
しまだのめんたまがなくなった。いしょけんめいさがしたらべっどのしたにあった
もういらない
しまだいらない
8月27日
もうすぐ夏休みも終わりだ。涼しくなって、ちょっと気分もよくなってきた。明日にはシマダをすてなきゃ。
8月28日
いくらなんでも道端に捨てておくのはかわいそうだ。誰かに供養してもらったほうがシマダも喜ぶだろう。誰に供養してもらえばいいんだろう?
8月29日
やはり彼氏だろうという結論に達した。明後日には家族も帰ってくるし、その前にシマダを彼氏に引き取ってもらおう。でも、顔も名前も知っているけど、うまくシマダの事を説明する自信もない。
8月30日
ぼくはけっこう頭がいいかもしれない。すごくいい方法を思いついたんだ。この日記だ。この日記のシマダに関係したページを破り取って、あいつの玄関の前に置いておこう。これを読めば事情はわかってくれるだろう。玄関前で日記を読み出したら、そのあいだにぼくは裏口からあいつの家に入ってあいつの部屋にシマダを置いておこう。
さあ行くぞ。
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