死の実感
妹の話。
俺が小学3年、妹が1年の夏に妹は亡くなった。妹が入学してから俺はおにいちゃんぶって、毎日先導しながら学校に行っていた。純粋に妹がかわいかった。
その妹の突然の死を受け入れられなかったんだろう。葬式でも泣きもしなかった。ただポッカリと穴が開いたような感覚だけがあった。
しばらくたったある日、居間でうとうと夢を見た。
「ただいまー」
と妹が玄関から入ってくる夢。目が覚めてからすぐ、何となしに玄関に行ってみた。風のせいだと思うが、玄関がすっと開いた。
その瞬間
「おかえり」
と言っていた。
それまで出なかった涙があふれてきた。なぜかわからないけれど、その瞬間に妹の死を実感した。
にいちゃん、もっとお前と遊びたかったよ。
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