第五十九話
語り部:蝉 ◆8sSemi/UG.
ID:cBAd3ddY0
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お守り
これは私のいとこから聞いた話。いとこがまだ中学生の時のことです。
ある日の夜、自室で寝ているとふと闇の中から何かが近づいてくる気配がする。薄目を開けてそれを覗ってみると、人型に薄ぼんやり光る緑色をした、何か。それが、寝ているいとこに近づいて来る。何をされたというわけではありませんでしたが、生きた心地はしなかったそうです。
怖くて堪らなくなったいとこは、次の日お経の本を抱えて寝たそうです。しかし、その日の夜も緑色に光るヒトガタの何かは、いとこにすうっと近づいて来る。
お経は守ってくれない…では、仏が駄目なら神様はどうか…
次の日はお守りを握り締めて夜を迎えた。しかし、ソレはやはりいとこのもとを訪れたどうだ。
眠れない夜を過ごし、神も仏も信じれなくなったいとこは、次の日プラスチックの模造ナイフをつかんで寝た。戦争映画が大好きだったいとこはサバゲーに使われるようなエアガンやナイフを所持していました。
その日の夜も当然のように訪れたその緑色の人型をした発光体。いつものようにいとこの寝ているところへ近づいて来る。枕元に気配が立つ。がばりといとこは跳ね起きてそれにナイフを突き立てた。
それ以来その光る何かはいとこのところに出ることはなくなったそうです。
だからそれ以来このナイフがお守りなのだ、とそういとこは話を結びました。
その緑に光る人型って結局何で、何のためにいとこのところに来たのでしょうね?
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