第五十三話

語り部:グレゴリー ◆yNuURBcNkQ
ID:NzNNdqAp0

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確か暑い季節のことだったと思う。おれはいつも布団で寝てるんだけど、その夜も普通に寝てた。

夜中に金縛りにあって目が覚めたんだ。胸が圧迫されるような重苦しさと、動かそうにも動けない体で、ああコレは金縛りだなと思った。

気にせずにまた眠る気満々だったんだけど、ふと足元を見ると、締め切ったカーテンの前になんかいた。

河童だった。

しかも、二匹。二匹の河童がなんかぴょんぴょん跳ねてるんだよ。おれの足元の、カーテンの前で。

今までにも金縛りは何度かあって、布団の周りを誰か歩いてる気配とか窓から女の子がこっち見てるとか、そのくらいだったから、変な話だけど河童を見たってすごく得した気分になった。しかも二匹。超楽しそうに飛び跳ねてんの。

あれきり河童には会ってない。


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