第八十六話
語り部:黒犬 ◆maNL6bv6dg
ID:a1X5y96bO
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隣の部屋
俺の中学校の時の担任Pに聞いたはなし。
Pは夏休みのお盆の休暇を使い、広島に野球を見に来ていた。二泊三日で、一日目で観戦、二日目で観光といったスケジュールを組み。市内のホテルを二泊予約していた。
事件は一日目の夜ホテルの自室でくつろいでいる時に起こった。
ドン!!!ドン!!!
部屋の西側の壁が、隣の部屋から思いきり叩かれたのだ。そしてそのすぐ後に怒鳴り声も聞こえた。
まぁすぐ収まるだろうと思ったが、ドンドンドン!!という音と、怒鳴り声はエスカレートするばかり。
耐え兼ねたPは、フロントに電話し、苦情を言う。
P「ちょっと!俺の隣の部屋の奴がウルサイんだけど!!西側の部屋!!なんとかしてくれよ!」
フロント「は!??」
P「だから西側の部屋のヤツがウルサイの!!」
フロント「お客様…大変申し上げにくいのですが…お客様のお泊りになってる部屋は角部屋です。」
P「は??」
フロント「ですから、お客様の部屋の西側に…部屋なんて無いんですよ…。」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!
逃げ去るように一日でPは広島を後にした。
[完]
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