第八十話

語り部:蟻 ◆GJCUnhVBSE
ID:yBezmQGa0

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大学時代に親しくしていた男友達の話。

彼はとても霊感が強かった。頭がよく社交的で、整った顔立ちをしていたので、学部の女の子達にとても人気があった。告白されている場面を実際に見たこともある。でも、彼はいっこうに彼女をつくる気配がなかった。女嫌いなのだろうか?

ある日彼と一緒に飲みに行ったとき、私は

「何で彼女作らないの? あんためちゃくちゃもてるのに」

とからかってみた。

彼はこう答えた。

「だって、告白してくる子に限ってみんな肩のとこに赤ちゃん背負ってるからさあ。そんなのやだよ」

彼には水子の霊が見えているらしい。

彼は多くを語らなかったが、そういう女性はかなり多いそうだ。

[完]
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