第七十七話

語り部:北風 ◆zn2LXYlGxo
ID:hs1zx9eb0

「77/100」

「肝試し」

俺の地元の友人にはオカルトな話が好きなやつが多い。この話はその地元の友人達が肝試しで、近くの心霊スポットに行った時の話。

そこは俺の地元では知らない人はいないっていうほどの心霊スポットだった。全長20〜30Mほどの橋で、橋の下は川だ。かなり高い場所にある橋で、そこから飛び降り自殺をする人も多い。現に、その橋には自殺を止めるような看板もある。

友人達は深夜、男女四人で一台の車に乗り込みそのスポットに行ったそうだ。

橋についてペアになり、懐中電灯も持たないで橋を渡って向こう側に行く。そして往復して戻ってくるといったものだったらしい。

何事もなく一組目のペアが戻ってきて、二組目のペアが行こうとした時だった。橋の向こうに影のようなものが見えたという。しかし、あたりには電灯さえないほど真っ暗。影など映るはずがない。しかも、橋の向こうは暗闇で道さえも見えないのに、影だけは何故かはっきりと見えたそうだ。

友人達は寒気がし、二組目は橋を渡らず、そのまま逃げるように車に乗り走らせた。

車内でその話をしていると、助手席の友人が悲鳴をあげたそうだ。そしてその友人は

「早く!もっと早く!」

と言った。

そして、近くのコンビニに止まり、叫んだ友人に話を聞いた。

「バックミラーをみたら黒い影が猛スピードでついてきた」

と友人は言った。

[完]
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