第六十六話

語り部:Gペンマン ◆UoNspEbUF6
ID:BAdp4pvh0

【学校の一つ不思議】

【066/100】

これは今は教師になった私の中学からの親友からの話

学校の七不思議と言うのはよくあるが、彼が通っていた小学校には昔から伝わる”一つ不思議”という噂があったんだそうだ 。

その内容は至ってシンプルで

”誰もいなくなっていないはずなのに入学時と卒業時の名簿の人数が合わない、だから卒業アルバムを作らない”

という物で、誰も本気で信じる者はなくその学校では伝統的に卒業時に点呼を取るので立った噂だろうと彼も思っていたんだそうだ。

そんな噂以外は特に変わったことの無い学校で彼も、無事成長し、卒業してその小学校を離れていったのだった。そして、それから十数年後、彼は教師になりその小学校に努めることになったんだそうだ。

その学校の噂を忘れていなかった彼は、噂の確認をするため事務に頼み込み自分の入学時と卒業時の名簿を見せてもらうことにしたのだった。

早速事務にかけあって閲覧許可をもらった名簿を見て彼は人数を数え始める

「入学時は1・2・3…合計121人っと、結構人が居たんだな」

そして、本題の卒業時の名簿に目を移し、数え始める。

「1・2・3…!?ご・・・合計120人!?」

何度数えなおしても120人しかいない、事故も何もおきてないはずなのに卒業時の名簿から一人居なくなっているのだ。

そして、入学時の名簿に目を戻し、消えた一人の名前見て愕然とした。おそらく、今まで一度もあったことのない人の名前がそこには記されていたのだから・・・

ふと、後ろに気配を感じ振り向くとそこには事務さんがいて、目線があったときに

「コレは仕方ない事なんですよ・・・。」

とポツリと呟き、友人から名簿を奪い取り元あった場所へと持っていった。

それから彼は次の学校に努める事になるまでずっと恐怖に震えながら学校に行ったという。

あの学校では今もまだ、誰にも気付かれずに毎年ひとりづつ子供が消えているのだろうか・・・

[完]
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