第五十話
語り部:北風 ◆zn2LXYlGxo
ID:hs1zx9eb0
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「雨の日に」
友人の体験談。
友人の家の近くにはよく事故が起こる交差点がある。さして見通しが悪いわけではないのだが、何故かその交差点では事故が多いという。
雨の日、友人は風邪で学校を早退した。
友人の家に帰るにはどうしてもその交差点を通らなければならない。そして友人は歩きながらその交差点の赤信号で立ち止まったそうだ。
友人は傘をさして携帯を眺めていた。ふと前を見ると赤い靴が目に入った。
「誰かいるのかなー」
と思い顔を確かめようと思ったがちょうどダンプカーが通ったという。
ダンプカーが通り過ぎると、そこには誰もいなかった。
そしてその友人は一週間程学校を休んだ。登校してから開口一番にこの話を聞かされた。
俺は最初半信半疑で聞いていたが、友人の血相を変えた顔をみて、もしかしたら本当に体験したのかと思う。
そして俺が一番ゾクッとしたのが、梅雨で毎日雨が降っていて、その日も朝から雨が降っていたにも関わらずその女の人は、ハイヒールを履いていたそうだ。
[完]
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