第四十八話
語り部:109☆ ◆2/QV/Brifk
ID:LDjWc5WK0
今回もちょっとロング文ですが。。
【048/100】
『病院』
じつは私、いま、ナースをしています。病院怪談ってけっこう定番だけど、やっぱけっこうマジであるんですよね。その中からせっかくなんで何個かショートショート風(?)でおはなしします。。
ちょうどナースになりたての頃、いまでこそ、全館禁煙ですけどまだその頃は各病棟に喫煙コーナーがあったんですね。
その頃、友達の病棟であったホントの話なんですが・・・
夜の巡回のとき(AM2時頃)その喫煙コーナーの一角、はしっこの椅子に以前からガンで入院していた患者さんがポツリと座っていたそうです。
そのナースはその姿を見て
「○○さん、早く寝ないとね」
と声をかけ、ナースステーションに戻り、いっしょに夜勤をしていた同僚にその話をなにげにしました。
すると、そのナースが真っ青な顔をして
「なにいってんの、○○さんは先週亡くなったでしょう・・・」
この話、よく聞くかもだけどほんとにリアであったとは・・・。
もうひとつはうちの病院でいまもずっと目撃者があとをたたない、血圧をはかりつづけるナース。
深夜、やはり訪床すると、重傷の患者さんのところにかぎって血圧を測っているナース服に予防衣(ガウン)を着た、ナースの後姿が・・・
それで、その後、血圧を測られた(と思われる)患者さんは快方に向かうことが多いそうなのでまんざら怖いだけの霊でもなさそうかな・・・
あと、飛び降り自殺でいままさに屋上から降ってくるひとを目撃した患者さんもいましたけど。。これはオカ話ではなかった。余談ですorz
さて、最後は、私が大学病院の産婦人科勤務のときに実体験したはなしなんですが妊娠の中期中絶をした、患者さんがいました。
ちょうど私が深夜勤務で、朝6時ちょっと前くらいにナースコールがありました。コールで
「どうされましたか?」
と尋ねると、
「・・・ま、窓の外に・・窓の外になんかいるんです!」
急いで病室に駆けつけるまだ仄暗い廊下でなんだか急にゾワゾワ〜〜〜っとじょじょに寒気がきたのをおぼえています。
それで、なんとか病室に到着し、あらためて詳細を聞いてみると
「そ、その窓にひとの顔がへばりついてた・・・」
と窓を指差す患者さん。
もうひとつは、重度の妊娠中毒症で意識も朦朧としていた患者さんから状態がよくなった頃に本人から聞いた話ですが、朦朧とした中で耳元で
「もうすぐ、もうすぐよくなるから」
と囁いたそうで・・・
事実、その翌日からかなり状態が軽快方向に。
まあ、この話の場合は誰かスタッフか患者さんの家族のひとが囁いたのかなあっては思うのですが
奇妙なことに・・・
このふたつの出来事が起こったのは同じ病室での出来事でした。
産科も扱うおめでたい場でもあるのでそういった、中絶とかなんらかの理由でイレギュラーな患者さんはうちではいちばん端っこのこの病室に入っていただくことが多かったのですけどこれは、この病室、何かいわくあるのかな、、と思いました。
ちなみに、さきほどもチラッと書きましたがうちの病院、年に何回か飛び降り自殺もあるのですけど・・・だいたい、屋上から中庭に飛び降りるケースが多くうちの病棟では、ちょうどそのいわく?病室の真横になるんですね・・・これも関係あるのでしょうか。
[完]
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