第三十八話
語り部:北風 ◆zn2LXYlGxo
ID:hs1zx9eb0
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「地蔵の首」
これは小学5〜6年生ぐらいの時の話。
俺の実家の裏に山がある。そこに階段があってそれを登ると頂上に古い神社ある。その神社の前に、近所の子供達の遊び場になってる広場がある。
その日はその神社で友人と二人でサッカーをしていた。
たしか夕方5時ぐらい、空が薄暗くなってる時間だったと思う。俺達はPKみたいな感じでその広場でサッカーをしていた。俺がキーパーやってて友人がボールを蹴る側だった。そのボールがちょっとはずれて地蔵の頭に当たった。
元々古いものだったらしく、「ゴロンっ」って音を立てて首が取れた。
そして、そのボールが跳ね返って吸い込まれるように社の下に入り込んだ。友人と二人でホフク前進で社の下に潜り、ボール見つけて戻ってきたらどこからかおかしな音が聞こえた。
「ズズズ・・・ズズ・・・・」
って。まるで石と石をすりあわせるような音が。
そして、その音と一緒にどこかから視線を感じた。まわりを確かめたんだけど、誰もいない。
「おかしいなー」
と思い。ふいにさっきの地蔵の方を見ると、10体くらいの地蔵が全部、目を「カッ!!」て見開いて「ジーッ」っと俺達の方を見てる。
俺等は
「うわぁああ!!」
って叫びながら家まで走った。
その日は友人わかれて、その夜の多分11時前ぐらい事。昼間の事と、夏の蒸し暑さもあって、俺は全く寝つけなかった。
当時俺は一階で寝てたんだが、両親が寝てる二階まで行った。俺の家は二階に上がる途中に、外と繋がってるドアがある。
そのドアの前を通る時に、また
「ズズズ・・・ズズズ・・・」
って音がした。俺は
「うわぁぁぁああ!!!」
って叫びながら階段をダッシュし二階の親の布団にもぐりこんで一夜を過ごした。
[完]
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