第十八話
語り部:ぱんぷきん
ID:AnvDjerKO
「ウミネコの祟り」
今から約10年くらい前、それは、昆布が有名な私の故郷で起こりました。
故郷にはカラスと同じくらいカモメ(留鳥)がいます。7〜8月、昆布漁は最盛期を迎え海辺に多くの昆布が干されています。海辺なのでカモメが多く休んだり狩りをしていて、当然、糞も多く落ちています。
そのカモメの糞が昆布にかかり売り物として出荷できんなくなる糞害が多発した年がありました。夏の間に冬の分の生活費をも稼がなくていけない漁師達が集まり、M牧場の牧場主を中心に約7名の漁師がウミネコを駆除しようと集まったとされています。
ですがいざ、駆除が始まると集まった7名全員が心臓発作、脳梗塞などで全員が死亡してしました。
それから4〜5年が経ち、ウミネコの卵を巣から盗ってきて役場の買い取り制度を利用し、大量のウミネコの卵を売ったり、石にぶつけたりして遊んでいる中学生の男の子がいました。
男の子はある日、いつも行っていた崖に行き、いつものように卵を投げて遊んでいました。少し遠くの、崖になっている所にある卵を盗ろうとした瞬間、足を滑らせて崖から海に落ち、そのまま亡くなってしまいました。
その日から今まで男の子が落ちた崖の絶壁は、しばらく崖の岩肌にしがみついていたとされる男の子の姿が段々と、形成されていっています。
まだ成仏できてない少年が、岩にしがみついているかのように…。
[完]
⇔戻る