投稿者:KENGO

タイトル:金縛りと声
私が14歳のちょうど受験を控えた中3でした。部活も引退して、毎日学校に行くだけみたいになっていた頃に体験したちょっと怖くて不思議な体験談です。

雨が降っている日の事でした、いつものように友人とカッパを来て自転車で家に帰っていた時、ふと雨が強くなったと感じた瞬間に全身が凍える感じがして、急ブレーキをかけました。

友人もすぐにブレーキをかけたその時、目の前の木の影から凄い勢いで軽トラが出てきたんです、雨が降っていた事もあり、音とかまったく聞こえず、友人も自分もただ唖然としかできませんでした。

その日の夜、未だ雨は強く降っていました。家族と夕食中に帰路の体験を話していた時、ふとリビングの片隅に気配を感じて後ろを振り返りました、テレビと押入れの間のたいして何もない空間に白い靄のようなものが見えました、すぐに家族に聞きましたが家族は何も見えないと言っていて、冗談言うなと軽くあしらわれました。

夕食後にテレビを見てボーっとしていた時、またあの時の凍える感じがしました。寒くもないのに鳥肌が立つ感じの、違和感があるものでした。しかしまたあしらわれると思って家族には言いませんでした。

そして数分後、家の外でもの凄い音がしました、自分は面倒で見に行きませんでしたが、乗用車とトラックが衝突して事故を起こしたそうで、乗用車に乗っていた人は死んでしまったらしいです。

その日の夜、人生で初めて金縛りを体験しました。

ちょうど、ベッドの上で窓際を向いて寝ている時でした、約2分程度はただ体が動かなかっただけでしたが、後ろに何かが「いる」という感じがだんだんとしてきて、怖いと思い始めたとき声が聞こえました。

「目を閉じて」

優しい感じで、聞いたことはないけど若い女性の声でした。その声に怖いという感じはしませんでした、すぐに目を閉じて早く金縛りと後ろの何かが消えてくれることを祈りました。

目を開けないで

また聞こえてきました、聞こえるというより、頭に響く感じで…

その直後、窓が

バンバンバンバン!

と凄い音で、まるで拳で叩かれているように

バンバンバンバン!

と何かが打ちつけられてるような音がしだしました。

雨にしては酷すぎると感じました、金縛りはまだ解けません、そして窓の音が小さくなっていったとき、もう自分のすぐ前、真ん前にさっき後ろで感じていた気配が いる んです。

その後に言っていた言葉は聞き取れませんでしたが、それを聞いた瞬間に金縛りもさっきまで感じていた気配も消えました。



気付いたら朝でした。

気付かないうちに汗で全身がびしょびしょになっていました。

その後も4日間、同じような金縛りが続きました。そしてあの声も、毎日目を開けないでと言ってくれていました。

休日、家族に最近の夜の事を話したら、こういう事はよくわからないが一度お祓いに行けと言われました。その日のうちに比較的に近い場所にお祓い等をやってくれる神社があったので朝から行きました。

神社でお坊さんと思われる人に話しをして、偉い(?)人の所へ連れていかれました。僕を見るやいなや、お坊さんは悪いのが憑いている。と言いました。

やはりな…と思っているとお坊さんはあと1人、霊がいる。と言われました。しかしその霊は悪くはなく、ずっと僕を見ていると言いました。そして憑いたのも最近だということを教えてもらいました。

しかし、どちらにせよ成仏してもらった方がいいという事で、悪い奴と一緒にお祓いしてくれるといい、その日の内にお祓いをしてもらいました。

その日から、金縛りもあの凍える感じも、また声も聞こえるようにはならなくなりました。

安心して、高校受験も受けられ地元の高校に入ることができました。しかし、高校入学後1週間もしないうちにまた夜に金縛りにあいました。その時は最悪でした。

天井を向いた状態で寝ていたので、金縛りもきれいに天井を向いた状態でした。そして、自分の頭上に何か気配を感じました。前の時よりもはっきり感じられるものでした。その日にかぎって目が閉じられませんでした。だんだんと近付く気配に泣き出しそうにもなりました。

そして、暗い部屋にさらに真っ黒い人影が見えました、立った姿勢から頭だけをおろしてくるかんじで、すぐ真上に顔がきました、目を見開いた中年の目の回りがどす黒いおじさんがもの凄い形相でこちらを見ていました。

もう死ぬと思った時、

大丈夫だから

あの声でした、優しい感じの、この時にはもう女神様と思いました。

そしてまた

助けてあげるから

その時、携帯がなりました。

気付いたらまた朝でした。携帯がなったのを覚えているだけで、その後は覚えていません。

押入れが過少開いていたのを見て、怖くなって携帯を持ってすぐにあの神社に行きました。やはりまた憑いているようで、お祓いをしてもらった後、お坊さんが家を見せてもらいたいと言い、家まで一緒に行きました。

私の部屋をみるとすぐに、

「屋根裏が霊の溜まり場になっている。どうしようもない状況だ。」

と言われ、家も古いので親が売りにだし、今は新築の家に住んでいます。それっきり金縛りや気配を感じることもなくなりました。

最後のお祓いの時、お坊さんは今も貴方に憑いている女性の霊は貴方を見守ってくれている。と言っていました。たまに夜、

「守ってあげるから」

あの優しい声で聞こえる時があります。

あの時の携帯の着信は非通知でした。

あの着信も、きっとあの人がしてくれたんだろうと思っています。今は変わらず元気にすごしていています。

なぜ、あの家が霊の溜まり場になったのか、自分に憑いている見守ってくれている女性はどうして自分を守ってくれるのかは未だにわかりませんが。僕は今も見守ってくれているであろう彼女に感謝しています。

長文と読みにくい文失礼しました。あまり怖くなかったかも…

ちなみに売りに出したあの家には、また3人家族が住んでいるそうです。
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