投稿者:エイチ

タイトル:おばあちゃんの手
これは、わたしが高校2年生のときに体験した話です。

最初に言っておくと、わたしは怖い話が大好きな割にはテレビの心霊写真を見て一人で寝れなくなり、高校生なのに母に一緒に寝てもらった程の極度の怖がり&小心者です(ちなみにわたしは女です)。

話を戻しますが、わたしの祖母はわたしが小6のときに亡くなりました。祖母は優しい人で、わたしのことをとても可愛がってくれ、わたしも祖母が大好きでした。

高校生になり、しばらくは何とか人並みに過ごせていたのですが、元々精神が弱いわたしは三週間全く学校に行けなくなったときがあり、いわゆる引きこもりになってしまいました。

「クラスが嫌だ!」

と言って突然引きこもったわたしに、両親も困り果てていました。

そんな夏のある日、いつものようにぐうたらして夜中にやっと寝付いた頃、ふと部屋のドアが開き、スーッと誰かが入ってくる気配がしたのです。しかし、部屋のドアはレバーを握って開けるタイプだから開ければ必ず「カチャ、キィー」という音が聞こえるはずだし、何より部屋は2階にあり、しかも壁が薄いので階段を昇るトントンという音もするはずなので、普通だったらありえない事なのです。

その「誰か」(姿は見えない)は気付くとわたしのベッドの横におり、寝ているわたしの手を両手でそっと包み込んでさすり始めました。

夢うつつながらも、最初はさすがにびっくりしましたが、その手がなぜか懐かしくとても温かかったので、安心して熟睡してしまいました。

眠りに落ちる間際、しわだらけの手がはっきりと見えました。

翌日家族にその話をすると、兄以外(父と母)は寝ているときに人の気配を感じたそうです。

母が言うには、

「ちょうどお盆だし、あんたもいろいろ大変だったから心配で来てくれたんだろうねぇ。」

と。

極度の怖がりだし、祖母の姿を見たわけでもないのに嬉しい気持ちと切ない気持ちでいっぱいでした。

おばあちゃん、本当にありがとう。今でも大好きだよ。
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