投稿者:みそじ
タイトル:友人の事故死
私は家系柄良く怪現象や、霊体験に遭遇してしまいます。これは今から14年前、高一の時に体験した話。
当時不良街道まっしぐらだった私は悪友達と色々悪さをしており、この時も原付きを盗んで乗り回す等していましたが、悪さをするとしっぺ返しがあるのでしょう。
ある日いつも通り盗んだ原付きで悪友達と適当に流していた時、見通しの良いはずの交差点で乗用車と接触事故を起こしました。その接触事故で、先頭を走っていた悪友(仮にT)が即死、後ろを走っていた私(みそじ)は意識不明重体、私の後ろに乗っていた悪友(以後A、霊感あり)は左肩脱臼、左肘骨折。最後尾を走っていた悪友(以後B)は左足切断、全身打撲。
私は三日間は意識不明で意識が回復したのが四日目でしたが約七日間軽い記憶喪失になっていました。
ここまでは普通の事故の話ですが、その事故の状況がかなり変わっていました。
死の瞬間はスローモーションに感じると言うのは本当のようで、先頭の友人が車に当たって飛んでいて、私も車にぶつかって飛んでいる間かなりスローモーションに感じました。Tは飛ばされている中顔が変に斜め後ろに向いており、
(こりゃT死んでるな…)
と頭の中で考える時間があったくらいです。
そして私が近くの電信柱にぶつかる瞬間に車が見えていましたが、その車の後部座席に髪の長い両目から血を流した女が私の方を向いて口元が笑っていました。
そこから私は意識が無くなり記憶が途絶えたのですが、後日記憶回復してから警察の事情徴収があり私は記憶にある事故状況の説明をしました。(勿論私が見た女性の事も。)
その時に警官から聞かされた説明には悪友Tが即死したことや他の悪友の容体について。また乗用車は事故後現場から逃走し200メートル先の電信柱にブレーキを踏まずに突っ込み即死したとのこと。
しかし私の説明に出てきた女性は最初の事故現場にも乗用車(運転手しか居なかった)が電信柱に突っ込んだ事故現場にも居なかったということ。
私はTの葬儀に参加できなかったので退院後、唯一葬儀に参加したAに話しを聞きたかったのでAと一緒に事故現場に花とTの好きだったタバコを二人で持って行く事にしました。
時間は事故当時と同じ夜間でした。事故当時は原付きで来たので気付きませんでしたが徒歩で事故現場に差し掛かると空気がおかしく違和感を感じていました。そこにはすでに他に供え物がありました。
私もAも顔を見合わせました。明らかにTへの供え物ではなく、枯れた花や線香等が沢山供えられていたからです。
A「Tのやつ…やっぱ連れていかれたんや…」
私「お前も見たのか?」
A「女だった…笑ってた。」
どうやらAも女を目撃していたようでした。
私とAはTへの供え物を起き手を合わせその場を離れようとしました。
その時私には視界の端に、あの女が見えていました。
A「みそじ、Tは成仏できるやろか?ここヤバイやろ?」
私「あぁ、あんまり長いする所やないな」
私はAのTが成仏できるかとの問いには答えられませんでした。
怨霊に捕われた魂が成仏できないのは神職に従事している祖父から当たり前のように聞かされていたから。
そして女以外Tだけでなく他にも数人見えていたから。
私「A後ろ振り返るなや、Tには悪いがここには二度と来んとこや。俺らじゃどないもならんわ」
A「見てるよな…何人かわからんけど…?Bにも言うとくよ…。」
私とAはその後無言で振り向く事なく帰路へ向かった。
あれから14年、きっとTはまだあの事故現場にあの女達といるんだろう。
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