投稿者:旅人

タイトル:逃げるなよ
今から話すのは、おれの実体験です。

8月。夏の蒸し暑い中、おれはクーラーでキンキンに冷えきった家にいた。当然外にでる気も全くない。

するとうちの祖母が部屋にきて、突然おれにある話をした。

その話の内容は、何が何でも8月に○○の廃トンネルには行くな。

そう言われた。

突然の事で別に興味がないおれは、軽く聞き流した程度で祖母の話を終わらせた。

その夜の事。

友人から電話が来てこれから肝試しをしないか?

と言ってきたのだ。特にする事もなかったので、おれは肝試しに参加することになった。

朝祖母に言われた事をすっかり忘れて。

友人の車にいざ乗り込むと(この友人をKにします)同級生の女の子も2人車に乗っていて、4人で肝試しする事になった。

Kが、ふと車を走らせながら満面の笑顔でどこに行くのかを言った。

「○○トンネルに行くから☆」

おれの脳裏には祖母の言葉なんかこれっぽっちもなく、むしろ

「いくべいくべ〜!」

と進んで賛成した。

いざ着いてみると、トンネルの入り口にバリケードみたいなのがあり、中に入れないようになっていました。

これじゃあ入れないじゃんな! 違うとこ行くか?

などとおれとKが話していた時でした。

女の子二人がいつの間にかバリケードをよじ登り、早く早く!

と言って手招きしていました。

おれとKは招かれるままバリケードを越えてしまったのです、トンネルの入り口は異様な空気が漂っていました。

その雰囲気を察したのか女の子二人も静かになっていて、何ともいえない空気でした。

トンネルに入ったら絶対手を離さない。

これだけを約束して4人全員で手を繋ぎながらトンネルに入りました。

一歩一歩トンネルの奥に進むに連れて、冷えるような空気が4人を包んでた。

トンネルの中盤くらいの場所でしょうか。

幼なじみの1人が足を止めて、おれら3人に、

「何があっても手離さないんだよね?」

と聞いてきました。

その聞き方で、明らかにやばい!!という事を感じとりました。

「何があっても離さないんなら、うちの右手首みてくれない?」

おれらは恐る恐る右手首をみました。



そこには爪が全てはげ落ちて、血管が浮き出ており真っ白な手がありました。



その瞬間kともう一人の女の子は、一目散にトンネル出口へと向かって走り出しました。おれはあまりの恐怖で動く事も出来ずにいました。

すると腕を掴んでいた霊がゆっくりおれの方に近づいてきました。



おまえは逃げなかったねぇ。



と言い、げぎゃぎゃぎゃと不気味な笑い声と共にK達のほうに向かって消えたのです。

あまりに気分が悪くなり、これ以上遊べる雰囲気もないので、おれらは解散しました。

しかし翌日。

kが交通事故にあい、もう一人の子は、片足骨折という大けがをしました。

興味本位で心霊スポットはいかないほうがいいですね。
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