投稿者:はいぶ

タイトル:帰ってくる
自分の体験談じゃないが、友人の体験した話を一つ。その名を剛(仮名)とする。

剛の母方の家系は霊感が強いらしく剛にも生まれつき霊感たるものが備わっていたらしい。彼の体験した話はこんなものだった。

お盆になると剛の家族は揃って母方の祖母の家に泊まりにいく。その家は海辺にあり、私も小さい頃よく剛の家族に連れていってもらい海で朝から晩まで遊んだものだ。剛は夜中に尿意を催し目を覚ました。祖母の家は、トイレに行くには絶対に仏壇が置いてある部屋の横の廊下を通らなければならない。

私が剛の祖母の家に行った時はこの廊下を通るのが嫌で、毎回誰かに付いてきてもらっていた。剛は霊感があるせいか一人でも余裕でトイレに行く。

その時も剛は一人で夜中にトイレに行った。そして用を足し部屋へ戻ろうとすると、行く時は特に気にしなかったが仏壇の部屋の障子が開いている。その部屋を意識した途端、剛は人の気配を感じた。

恐る恐る部屋を覗くと、そこには仏壇の前の座布団に座っているお婆さんがいる。しかし確実に今いる家の祖母ではない。その時、そのお婆さんが振り向いた。しかし一瞬で消えた。一瞬だったが顔はハッキリと見えたらしい。

そうして翌朝、朝食の前にお参りをしようと仏壇の部屋に入ると先祖の写真の中に昨日見たお婆さんの顔があった。祖母に聞くと、その人は祖母の母親なんだそうだ。やはりお盆にはご先祖様はしっかりと帰ってくるもんなんだなと、その話の後にポツリと剛は言った。
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