投稿者:YOKU
タイトル:死刑された
これは私が14歳の頃の話
いつものように年末におじいちゃんの家に行ったときです。おじいちゃんは離婚して広い家に一人暮らしなんで2階の部屋は全く使われてなくてかなり汚れていました。
暗くてひんやりとした重い空気が漂い私は2階にはあまり行きたく無かったのですが母によく連れて行かれました。そこに本棚があって珍しい本がずらーっと並べられていました。
その中に「死刑」という題名の分厚い本があり私はあまり本が好きではなかったけど何故かその本に引き付けられ本を開きました。
その時赤い紙が2枚ヒラリと落ちてきて目を通すと
「〇〇 □□(人の名前)25歳天皇陛下に逆らい非国民とし本日を持って首吊りの刑を処す。〇〇 □□(上記の人物の妻と思われる)25歳私に対し不適切な言葉を交わし本日を持って私の手により拷問、後に首吊りの刑を処す」
そしてもう一枚の紙には
「棚の後ろの扉は開けてはならないいくつもの怨が解き放たれることになる怨が解き放たれる時この屋敷の持ち主なる者と2代目までに災いが生じる」
と書いてあった。
私は好奇心旺盛で軽い気持ちと疑心で棚をよけた。
やはりそこには扉があった。扉にはお札が貼付けてあって血らしきもので「封」と書いてあったのだ。
私はそれを剥がして扉を開けてしまった。そこには首吊り用の紐がぶら下がっており隣にあるレバーを下げると床がゆっくりと下がっていく仕組みになっていた。
床がゆっくり下がっていく様子を私はただ立ち尽くし見ていた。
母がそれに気付き顔を真っ青にして泣き叫び私をこちらに抱き寄せおじいちゃんを呼んだ。
その時あの扉から
「呪ってやる…殺すこぉろぉーすぅー」
と低い声が聞こえた。私はただ恐怖に固まっていた。
するとおじいちゃんが本棚の中から綺麗な龍の銀刀を出し私の小指を両手から切り落とし赤い紐で結び付け扉の中にほうりなげた。
血が溢れ出しその血でお札に「封」と書いて意味不明なお経を言いながら扉を閉めお札を貼った。恥ずかしながら私は失禁してしまっていた。
そしておじいちゃんが私と母に言った。
「□□(母)と同じ災いを〇〇(私)はおかしよった。解ってると思うがわしは一週間後に死んでまう」
その通りおじいちゃんは死んだ。
昔この家は死刑を行う場所だったらしい。しかし死刑で死んだ夫婦の怨念が強いらしく封印されたらしい。そして開けた者は小指を捧げなければいけない。
母とおじいちゃんと私は小指がない。今私には子供がいる。
その子供がもし扉を開けたら母は死にまた小指を捧げなければいけないだろう…
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