投稿者:崇

タイトル:奥底の光
ここ最近ずっと同じ夢を見る。底が見えない黒々とした穴をひたすら落下していく夢。

あたりは漆黒の闇。何も見えない。ただすごいスピードでその穴を落ちていく。

だけれど1週間ほど前。その夢に変化があった。それまでただ落ちていくだけだったのに、はるか奥底に僅かに光が輝いたように見えた。

だがその光が見えた瞬間、自分は現実世界に引き戻された。



次の日もまた同じ夢。そしてまた奥底に光り輝く何かが見えた。昨日は米粒ぐらいの大きさだった光が親指くらいの大きさに見える。

一体何なんだ??

そう思い目を凝らした瞬間、また目が覚めてしまった。

そして次の日も、次の日も同じように、穴を落ちていき最後に光り輝く何かを見て目が覚める。その夢を繰り返し見ていた。 光の大きさは日に日に大きくなっていった。

そして2日前。ついにその光が何だったのかが分かった。

その晩の夢も勢いよく穴を落下して行き光が見えてきた。やはり昨日よりも光は大きくなっているようだ。

今度こそ、その光が何なのか突き止めてやろう、そう思いその光を凝視し、驚愕した。

それは光なんかじゃなく暗闇の中無数に広がる目、目、目。そこらじゅう一面に目が広がっている。

どうやらその目は僕が落ちてきたことに気がついた様だ。一斉に目が僕の方向を見つめた。視線がまとわり憑く。気持ち悪い。



そこで目が覚めた。



一体この夢は何を意味しているのか。そんなことよりこの目に見つめ続けられて正常であり続けられるだろうか。

昨日は会社の送歓会で一睡もすることもなかった。したくもなかった。

でも今、無性に眠たい。だがあの夢を見るのがとても怖い。



あぁ・・・もうすぐ夜が来る・・・
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