投稿者:骸

タイトル:旅は道連れ
あれは、私が幼少の頃の体験です。

確か、小学校の低学年の頃の出来事ですかね、私は母方の祖父に兄弟の中でも溺愛されて居ました。田舎に行く度に、釣りやらドライブやら、色んな場所に連れていってもらったんですよ。

蒸し暑い梅雨の時期に、実家の方に祖父が亡くなった致が、伝えられました。数日後、葬式をあげる為に葬儀場に行き、一通り事を終えた後、食事の場で疲れていた私は隣の部屋で横になったんですよ。祖父が愛用していた膝掛けをかけて。

眠りについて、ふと違和感を感じ眼が覚めました。尿意を感じ、トイレに立ち上がろうとしたら、体が動かないですよ。誰かを呼ぼうにも声が出ないんですよ。金縛りってやつにかかりましてね、足に激痛が走ったんで唯一動く眼をそこに向けると、亡くなったはずの祖父が足を掴んでるんですよ。無表情の顔で、引っ張るんですよ。

助けも呼べない私は、只怖い、嫌だ、助けて、と出ない声を喉から絞り出していました。その時に、襖が開き起こしに来た母が入ってきたら祖父は壁のほうに消えていったんですよ。

母に祖父が私を連れていこうとした!って言っても夢でも見たんじゃない?と笑われました。

勿論、足には手形の痣が出来てました。それを見せたら信用したようですがね。

以上、怖くもない幼少の体験でした。
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