投稿者:骸

タイトル:あるはずのもの
去年の夏の終わり頃の体験です。

夜の0時過ぎに、煙草が切れたので家の近くのコンビニまで歩いて買いに行きました。コンビニ自体そんな遠くはないんですが、家を出て50mくらいの場所に墓場があるんですよ。その墓の前の通りは結構急な坂道なんですがね。その坂道にですね、一人ずーっと立ち止まっているんですよ。

最初はね、私も変わった人がいるなって思ったんですよ、急な坂道に立っているのは辛いですから。しかも格好がまたおかしい。夏の終わりでも、まだ半袖で十分な気温だったんですよ、すこし肌寒いくらいで。

その人はね、赤のダウンジャケットを着てたんですよ。うつ向いていたし、これはちょっと気が違ってる人かなと思い注視せずに、素通りしてコンビニに行きました。

目当ての物を購入し、帰路につくと、まだあの場所に立ち止まってる。さすがに私も嫌な気がしてきましてね、速足で歩いて通り過ぎようとしたら。

その人、あるばすの陰がないんですよ。頭上にね、電灯があるんで、陰がない事はないはずなんですが。

通りすぎる時に、顔を横目で見たら、なにもない。眼も鼻も口もない。

その瞬間言い表せれないくらいの寒気に襲われて、無我夢中で走りました。

家に駆け込んで玄関の戸を閉め、戸を見たら…



以上が、夏の終わりに体験した出来事です。
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