投稿者:すイか

タイトル:次の機会は………
偶然も、二度続けば必然。では三度続けば…?

そういうお話です。

就職して最初の年の10月初頭。私は、母校である地元の小学校にいました。

一階にある職員室前の廊下に立っていた私は、ふと、背後に気配を感じて振り向きました。視線の向こう。遠く、職員用出入口のあたりにいたのは、

『テレビの砂嵐が人の形になったもの』

というしかないような、とても奇妙な物体。それを見つけた瞬間、もはや条件反射で踵を返し、全力疾走で逃げ出しました。

追いかけてくる人形の砂嵐から逃げ続け、どれくらいたったでしょうか?私は、ベッドの上で汗まみれになっていました。

それだけだったら、ただのおかしな夢で済んだんです。



翌週のことです。

私は、中学校にいました。自分の教室であった、三階の教室です。開いていた、教壇のある側―――教室の前側の扉から、再び、あの人形の砂嵐が現れました。とっさに教室後ろ側の扉から飛び出し、小学校より狭い校内を逃げ回ります。

やがて目を覚ませば、ただの悪夢。ただ、かいている大量の汗と、何一つもらすことなく覚えている夢の内容が、とても気持ちの悪い思いをうったえてきました。



話は、更に翌週へと続きます。

場所は高校になりました。私の通っていた高校は工業系で、電気科や機械科等の各科に一つずつ、実習を行う実習棟というものがあり、三階建ての機械科実習棟の二階の部屋に、私はいました。



………背後。



振り向けば、今までより近い位置にヤツがいます。そして中学校よりも狭い実習棟の中を、階段の上り下りを繰り返して、逃げ続けました。

そして目を覚ました私は、

………やばいなぁ…またかよ。あ、そういえば…どこかで似たような怪談、読んだなぁ。

などと思いながら、恒例となってしまいそうな朝風呂の用意を………………

そのとき、気付いてしまいました。

あの人形の砂嵐に追いかけられる夢をみた後は、必ず朝風呂に入っていたことに。つまりは、翌日が休みである、金曜日の夜にみていることに。尚且つ、今回で三週連続。しかも、小、中、高と、まるで私の時間を追いかけてきているかのような……………



段々と逃げづらくなる、あの夢の続きを、私は未だみていません。

高校卒業と同時に就職した私が、次にアイツに追いかけられるときは、夢の中でしょうか?

それとも……………
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