投稿者:中国最高

タイトル:バイクに纏わる怪奇?
話的には心温まるの部類に入りそうですが…高校ん時当然のようにバイク熱がありまくりでよく修理に出してたバイク屋のオヤジから聞いた話です。

その店の常連さんで30位のO(オー)さんて言う方が当時人気の高かった『ゼファー1100』を購入してあれこれコネクリ回していたそうです。しかし、一年経たない内に店のオヤジに車輪売却の話をしてきたそうです。

理由は理想で手に入れてみたものの、現実的に面白味が無かったかららしいです(因みにOさんはアクセルガバカバ開けまくりのスピード狂です)

店のオヤジは味わい深いバイクだから、もう少し手元に置いてみては?と助言しましたが、当の本人は違う車種が欲しいとの一点貼りで車輪売却の話を変えなかったそうです。

オヤジとも折り合いをつけたのでOさんが次の自分の休みにバイクを持ってくると約束したそうですが、当日の朝、普段ならセル一発で掛ったエンジンが急に渋るようになりおかしいな?と思いながらも、店に行きましたが、Oさんが店の定休日を勘違いしていて、来た時は休みだったそうです。

そのまま帰るのもなんだし、休みでやる事も無かったので走り納めとして、埼○で有名な正丸峠に行く事にしたそうです。

峠に入る前にコンビニに行きコンビニを出ようとした時もエンジンの掛かりは悪かったそうです。

峠に入り普通に何事も無く攻めまくっていた時に、緩やかな上りの連携途中で派手にバイクをコカしたそうです。事故の最中Oさんの頭に浮かんだのはあ〜売り物にならないかもと…と思い自分のケガも顧みずにバイクの状態を確認したら驚愕させられたそうです。

仲良く派手にぶっ倒れにも関わらずミラー一本とステップのみ取り替えれば普通に走れる状態だったそうです。Oさんはしばらくその場で呆然と考えたそうです。

『もしかしてコイツは売られたくないのでは?』

と考えバイクに、もう売りには出さないから一緒に帰るかと声を掛けたらエンジンは一発で始動したそうです。

ここまで話を聞いた時に、オヤジがタバコをくわえながら、

『血の通っていない物にも使い続ければ魂が宿る』

と聞き妙に納得したものです。

その後はどうなったのかをオヤジに聞いたら、Oさんは元気にイジリ倒して、現役を貫いてぞ〜との事です。



後日談になりますが、オレも大型バイクを購入したので何年か振りにその店に行きオヤジに自慢するのと、Oさんの詳細を訪ねたら、オヤジの顔が一瞬曇って、一言

『死んだよ』

との事でした。

ある仕事帰りの雨の夜、対向車線をはみ出して来た、トラックと激突して即死だったそうです。バイクもバイクの形をしていなかったらしいです。

オヤジが言うには、バイクも一緒に最後まで居れたから幸せだったハズだと言ったのを覚えています。

オチ的には今ひとつかもしれないですが、オレが聞いた実話になります。

因みにオレも10年近く同じ大型に乗っていますが、いつかそんな日が来ちゃったら困るな〜と考えております(笑)長々となりましたが、読んでくれてありがとうございます。
⇒戻る