投稿者:火ノ瀬 竜也
タイトル:夜の学校
夏休みの中盤に差し掛かり宿題をやらなきゃならないなと思いながらカバンを漁ると一枚のプリントが出てきた。そのプリントには8月10日に肝試しを決行すると書かれており場所は学校、集合時間は20:40、主催者はクラスの副担任(これからKとする)
俺はプリントを見て、
今日かよ。しかも強制だしうちのクラスだけかよ止めてくれよ。
などと思いながらも案外楽しみにしていた所もあった。正直オカルト的な事は大好きであるからだ。
学校行事の肝試しなどに期待はしていないが夜、学校には興味がある。うちの学校には所謂、学校の怪談的なものがあったしかしその怪談的なものは夜の間に起こるものばかりで確かめようがなかったので今回の肝試しは絶好のチャンスな訳だ。
宿題をやり終え時計を見る8時ジャスト、この当時タバコを吸ってた訳でタバコ買うために早めに行くかと家を出てチャリンコで学校近くまで行ってタバコ買ってまた学校から少し離れた場所でタバコ吸ってたら連れ(これからTとする)が来て
「お前何してるタバコら吸ったらあかん」
って言われたが第2声目には
「タバコくれ」
になった。
時間を潰して学校に向かうとグランドにクラスの奴らが集まってた俺とTは最後だった。
時刻が9時になり肝試しが始まった二人ペアな訳だがうちのクラスの男子と女子はホントに仲が悪く男子と男子、女子と女子という組合になった。
男子ペア7組、女子ペア6組で始まり肝試しのコースは、玄関→二階→三階→屋上→三階→音楽室→科学教室→科学準備室→二階→図書室→二階渡り廊下→体育館二階→体育倉庫→体育館一階→舞台裏→グランドの順である。俺が興味あるのは屋上、科学準備室、二階渡り廊下、舞台裏である。
最初の2人(男子)が出発して三分して2人が物凄い速さで走って玄関から出てきた。そいつらは屋上で女が居たとか言ってた。次のペアもその次のペアも屋上まで行き帰ってくる。そして最後のペア(俺とT)の番まで誰も屋上までしか行けなかったというのが続いた。
俺とTは屋上の扉の前についた。怪談的なものには屋上のから真ん中あたりから端に行き飛び降りる女の霊となっていた。俺は扉を開け直ぐに女を見つけた女は今まさに飛び降りるというところだった。
だが所詮先生の変装だろうと思っていた俺は次の瞬間唖然とした。
屋上の柵の前に立っていた女が飛び降りたのだった。
怪談的なものは正しかった。だとするとつぎの科学準備室では顔が溶けた男が呻きながら這って来るはずである。
俺とTは行きたくないのでとりあえずスルーしようとして科学準備室扉の横切ると中から低い鳴き声のようなのが聞こえてきた。俺とTは焦って二階におりて図書室を回り二階渡り廊下に向かった
次の二階渡り廊下は廊下の真ん中で右回りに三回回ると渡り廊下の真下から笑い声が聞こえ渡り廊下の下を見ると死ぬというもの。俺が渡り廊下の真ん中で三回右回りに回ったが何もなかった。
次の舞台裏では幕を開けると何処からか鼻歌が聞こえ舞台の上で足音がするというもの
舞台の幕を開けると鼻歌が聞こえてきたが舞台からは何も聞こえない。舞台のほうはガセかと体育館を出ようとすると舞台に着物姿の男が現れて足踏みをしていた。
俺はTに早く行こうというとTは強張った顔でそうだなと言い俺とTはグランドに帰った。グランドに居た奴らにTと一緒にあったことを話したしかし最後の所だけ俺とTの話がズレた。
俺は
「着物姿の男が足踏みをしてた」
と言ったが、Tは
「着物姿の男が歩き回っていた」
と言う。
そして結論は着物姿の男は足踏みをした後で歩き回ったとなった。
そして帰る時にふと学校を見ると屋上から手招きする飛び降りる女が見え窓とゆう窓から青白い手が現れ手招きしていた俺とTに向かって…
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