投稿者:梧雅
タイトル:山の学校
怖くはないかもしれませんが、実体験です。ちなみに♂。
転校の多かった小学校時代、大阪の山のテッペンを開いた町の小学校にいたときの話。
その小学校のトイレはドアがなく、入って目の前に壁がある『コの字型』で中が見えない造りになっていた。
昼休みに丁度通りかかった女子トイレの中の壁を見たとき、そこに白い影があった。白い壁なのに白い影だったが、なぜかはっきりと白い影があった。クラスでも一番背の小さかった自分だが、当時の自分には大人の影に見える大きさだった。その影は下半身がなかったが、下半身があるかのように上半身は浮いていた。
昼間だし、周りには遊び回る児童が多かったので恐怖は全くなく、興味を持ってじっとそれを見続けた。しばらく見ていたが影は動くこともなく、また消えることもなくそこにじっといた。自分は動きのない影に飽きて、友達のもとに遊びにいった。
昼休み終了間際に再度、影のあった女子トイレを見たが、影は消えていた。これは不思議な体験としてなので「なんで女子トイレ覗いたの?」という疑問は持たないで下さい。
同じ小学校でもう一つ。その小学校はくぼちののような造りで、半分はフェンスに囲まれた森で、残りは急な斜面だったので基本的には正門のみが唯一の出入り口だった。その正門を出てすぐ右に、森に続く小道があった。山の下に続く道で、
『そこで転ぶと森の中にあるという池に落ち、幽霊に底無しの池に引きずり込まれる』
という噂があった。
ある日、自分は友達のOとTとその小道に入った。僅か数十m行くと左手側に墓地があった。昼間だったし、自分達から誘拐犯を探すぼどバカだった自分達は怖がることもなかったが、道沿いにあった地蔵に三人揃って手を合わせて頭を下げた。そして一斉に頭を上げた自分達は、誰もが何も言わずに一斉に逃げ出した。
十五分ほども走り、自宅近所の公園についた自分達は一斉に口を開いた。
「ハアハア...地蔵、笑ったよな?」
「...ああ、ハアハア...笑った」
「ハアハア、俺も見た」
三人一斉に地蔵が笑ったのを見て、一斉に逃げ出したのだ。三人同時で、一言も喋らずに逃げ出したのだから見間違いではない。それから転校するまで、その小道には決して入ることはなかった。
たぶん、地蔵は子供が手を合わせてくれて嬉しかったので微笑んだんだと思うが....顔には出さないでくれ! ポーカーフェイスでいてくれ!
怖ぇよ!
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