投稿者:すイか

タイトル:夢?現実?
夢と現実の境界線というものは、実はあやふやで、とても危ういものなのではないのでしょうか?私がそう思うに至った、一つの体験を語りたいと思います。

私には、少しおかしなところがありまして、同じ夢を何度も繰り返してみたり、前回みた夢の続きや、忘れていた夢の内容を思い出す夢。果ては猿夢のようなものまで、夢としては、かなり奇妙な部類に入るものをみる場合が多いのです。

その日みていた夢も、そんな夢でした。

いつからそれが始まったのかは定かではありませんが、いつの間にやら、私は真暗な闇を見つめておりました。しばらくすると、そこには、白く、人の形が浮かび上がりはじめ、どうやら、こちらへ向けて近づいてきているようでした。

しばらくは、なにも考えずに、その白い人を見つめていました。それがどんどんと近づいてきて、どうやらそれは、白装束を着た、髪の長い女である。と、私が認識した瞬間でした。突如、女が目の前にあらわれ、私の首筋に吸い付いてきたのです。

その時点で、夢の中の私はこう考えていました。

―――殺される。このままでは殺されてしまう…!!

どうしてその結論に至ったのかは分かりませんが、殺されるのは嫌だと、とにかく暴れているうちに、現実世界でベッドの縁にスネをぶつけ、その痛みで目が冷めました。



ああ…またおかしな夢をみた…



と、冷や汗に濡れた体を起こしたときです。首筋に、違和感を覚えました。

ちょうど、夢の中で女に吸い付かれていた場所………指先で触れてみると、まるで、そこだけずっと氷をあてていたかのように、急激に体温が下がっていました。

あそこまで劇的に、かつ局部的に、体温が下がることなど、あり得ることなのでしょうか?もしかして、あのとき、女に吸い付かれたままだったとしたら……………



こんな話を聞いたことがあります。

『例えば夢の中で、自分が確実に、完全に死んだとする。そうすると、脳が“自分は死んだ”と思い込み、本当に突然死してしまう』

あのまま女に吸い付かれていたら、全身、氷につけられたかのように、冷えきっていたのかもしれません………………。

ひょっとすると今夜、誰かが知らぬ間に死と隣り合わせてしまうのかもしれませんね。
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