遣る瀬ない
先月家で法事があったので他県から従姉妹がやって来た。その時に聞いた話。
以下、従姉妹(S)と私の会話。
S「近所の公園に子供連れて散歩に行った時なんだけどね。」
私「うん。」
S「向こうからベビーカー押して来る女の人居たから、なんとなくスッとこっちから避けたの。そしたら、向こうが軽く会釈したから自分もしたんだけど、その時チラッとベビーカーに乗ってる赤ちゃん見たらな、」
私「何?」
S「赤ちゃんの顔が写真だった事があったよ。」
私「…どういう事?」
S「母親学級とか看護教室で使う等身大の赤ちゃんの人形あるでしょ?そうそう、それ。重さとかも赤ちゃんと同じってヤツな。あれに赤ちゃんの服着せて、顔に多分写真引き伸ばしたんだろうなー、赤ちゃんの笑った顔の切り抜き貼り付けてある人形がベビーカーに乗ってた。」
私「…それって昔赤ちゃんを亡くした人がおかしくなって…ってヤツ?」
S「それが違うんだって。気持ち悪くなったから散歩どころじゃなくなって家に急いで戻って母親にその話したらね、(あー、それ○○さんの娘さんだー。○○さん結婚した事も子供死んだ事も無いんだけど、精神的にちょっとあってなー、自分は子供生んだって思い込んでるみたいでなー、時々あの公園ああやって散歩してるんだってよー。)って言われたんだよ。」
私「それってかなり来るものあるな…」
S「で、つい昨日なんだけどな、天気良かったからまた子供連れて公園行ったんだ。そしたらまたその人いたんだけどさ…。赤ちゃん人形にミルク飲ませてたんだわ。人形だからミルクなんて飲むわけ無いじゃん、だから口からダラダラ零れてるんだけど、それ見てその人ニコニコ笑ってるんだよね…。」
なんつーか色々切ない話だったよ。
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