出てこい
親戚のおじさんの体験です
おじさんは神とか幽霊とか全然信じない人でした。でもおじさんの兄妹(うちの母含む)はみんな見えるとかそういう経験があるので、霊は本当にいるんだ、とおじさんとちょっと喧嘩みたいになったそうです。
その討論はおじさんの家で行われたそうですが、おじさんの家はお墓のすぐ真横で、窓を開けたら一面にお墓が広がっているのです。(そもそもの喧嘩も、おじさんの兄妹がこのお墓に夜な夜な人魂が見えるという事から始まった)
酒の勢いもあったのでしょう、兄妹みんなに叩かれたおじさんは、すっくと立ち上がり、窓を勢いよく明けると
「おい、幽霊の野郎ども!てめえら本当にいるんなら俺の前に姿を見せやがれ!出てきてみろ!」
と叫んだのだそうです。
それから数週間後、おじさんは兄妹全員の前で、
「幽霊は本当にいるんだな…俺が間違っていた」
と謝ったのだそうです。
何があったんだ、と兄妹が聞き出すと
おじさんがお墓に向かって叫んだ日の翌日の夜から、毎晩裸の女がおじさんの寝ている枕元に座り、おじさんを覗き込むのだそうです。
何日目かの日に、
「一体何が目的だ」
と問うと、
「おまえ、いるんなら俺の前に姿を見せろって言っただろう。だからこうして出てきたんだよ」
と答えたのだそうです。
おじさんは謝ったのですが、それでも毎晩出てくるので、最後に自分の兄妹達に
「どうしたら消えてくれるんだ」
と聞いたのでした。
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