ばばばの夢

これから、投下するのは「ばばばの夢」。多分、読んでも呪われはしない。ただ、今日の夜この先にある夢と全く同じ夢を見たら、気をつけて欲しい。

今日の書き込みはこれだけしか諸事情によりおそらく出来ない。投下逃げは決してしないが、油断できないのであらかじめ「ばばばの夢」の注意点と対策を載せておく。

あと、何故「ばばば」なのかは自分でも解らない。ただ、これを投下する際に「ばばばなのでは?」と思ったからだ。もしかしたら、地方によって名前が違うかもしれない。

≪注意点≫
・同じ夢を繰り返し見る
・夢の視点は自分自身
・夢の中で殺される(または何らかの事故等で死ぬ)

≪対策≫
・毎日寝る事(1日寝ないで起きるともっとヤバイ)
・電気をつけて寝る(電気をつけて眠れないときは半紙に墨で「光」と書いて窓の内側から外に文字が見えるようにテープ等で角を止めて、貼る)
・寝ている自分の上や横に出現したら、懐中電灯で「ばばば」を照らす



1週間以上、同じ夢を見続けていた時期があった。交通事故の夢。

夜道を歩いていたら、車ひかれる夢だからものすごく単純な展開で最初は気にしていなかった。ただ、自分がひかれたのに車はそのまま行ってしまうし、誰も助けてはくれない。そういう夢だった。ただ、痛みは無かったもののものすごく眩しい光を覚えている。

自分の周囲では誰一人交通事故にあってもいないし、念のために遠くの知人にも電話したり、異常なくらい神経質になっていた。

初日は1度だけ。

2日目の夜はまた夢の中で、3回ひかれた。それ以降は、ひかれて病院に運ばれて自分が息絶えるまでの間に本当の痛みがセットでついていきた。何度も、何度もひき殺される夢を見ていると、朝起きた時も気持ち悪いし、途中であまりの痛さ等々で目を覚ます時も汗びっしょり。自分が何か精神的な病気になったと思ったが、夢を見ていなければ怖くないし、普通に生活が出来る。

ただ、妙にリアルなのが1つ気になるくらいで他には気になる事が何も無かった。

ただ、その夢を見始めて2週間目のある日。偶然にも包丁で指を切ってしまった。血が噴出しているのに、急に金縛りにあって動けなくなった。

白昼夢のような感じで、いきなり周りの風景が道路になって、またひき殺された。

「自分が自分で無くなる」ような感覚というのではなく、「もう自分は死んでいるんじゃないか」って思った。夢の中が現実で、自分は生きていないような感覚がした。

そこで、オカルトや怖い話が好きな知人に、同じような話が無いか聞いてみた。幽霊等々には免疫があるのだが、どうも「夢」の分野はよく知らないので相談した。しかし、たかが夢だといわれたし、何も無いようだった。

このままでは、不安で怖いので知人(以下:F)に助言してもらった。

「寝なければ良いんじゃないか〜」

と言われて、それもそうだなぁと思い、そうしてみる事にした。1日、寝ないでいるにはやっぱり「肝試し」に行くしかないだろうという事でFとその他数人と深夜に出かけた。

翌朝、Fやその他の人との肝試しも無事に終わった。そういう、肝試しには誰かかれか霊感のある人が居るもので、霊視してもらったのだが、ついていないと笑われた。

帰宅しても寝る気がしなくコーヒー等を飲んで夜になるのを待って、ぐっすり眠るつもりだった。ロール・カーテンを下げていたのだが、窓よりも下に下げていなかったので、隙間が出来ていた。それを忘れていて、目をつぶってるが、なかなか眠くならない。

それでも、努力して眠ろうとしていたが、何故か、目をあけてしまった。頭の後ろがちょうど、窓だったのが最悪だった。

こちらを除き見る目がふたつ。

目があった瞬間、窓をすり抜け下半身を引きずりながらズルズル床を這い回る「ばばば」がベッドの傍にやってきた。叫ぼうとしても、叫べない。

身体は女性。髪はボサボサ。顔は血だらけで、表情は一瞬見ただけでグチャグチャだった。目がどこにあるかも、よく解らなかった。

す足をつかまれ、足首に爪がくいこんでいく。「ばばば」は必死で両腕の力だけで身体を起こすと、じりじり「ばばば」が上に乗ってきた。

咄嗟に、ベッドの横のテーブルに置いてあった肝試しに持っていった鞄の中をあさって、懐中電灯をつけた。絶叫してベッドから落ちた「ばばば」は窓の外に出て消えてしまった。

急いで、部屋中の豆電や天井の電気をつけて、暗い所が出来ないようにした。

襲われた次の日、部屋中に血臭が漂い、墨で内側から貼りつけていたにもかかわらず、半紙の「光」の部分だけが破れていた

Fに頼って今までろくな事が無かったため後日問いただすと

「おもしろい事が起こったか」

と笑われた。

Fが言うにはしばらくは「ばばば」は来ないと言った。念のため、日が沈んでから「光」という文字を書いて、就寝前に貼るのを続けた。それから、Fの言うとおり、「ばばば」の夢も見なくなったし、「ばばば」もそれ一度きりで、部屋には来なくなった

ただ、今度はFが「ばばば」の夢を見始めた。部屋は「ばばば」に毎晩侵されているらしい。が、Fは家中の電気の球を外して、楽しんでいる。

肝試しの数人とFと自分が再度、顔を合わせた時、Fはいきなり、膝上まで服をたくしあげた。「ばばば」に足を捕まれ、その痣が消えないのだそうだ。

皆は各々世話になっている「そういう人」を紹介しようとしたが、Fは必要ないの一点張りだった。というのも、Fには全てが夢で見えたそうだ。死んだ人間が「ばばば」までになったのは死んだ自身の潜在能力と無残な死に方をしたせいらしい。

「ばばば」はどこに居るのか聞くと

「最初は霊感のある奴の傍が多い」

と言った。死んだ本人は気付いていなかったようだが、自分を救ってくれない奴や自分の存在を悲しむ奴に対しての執着がすごいらしい。

「霊感のない人は襲われない?」
「『ばばば』は誰を襲って良いか分からない奴らだ。だから、教えてやってる」

集まってから数箇所のスポットを楽しんだ後、Fは思いっきり住宅街方面に向かって車を運転していた。Fと自分以外の2人が同乗してくれていたが、明らかに可笑しいFの様子に引いていた。

そこで、運転手のFが徐行からもっとスピッドを落としてピタっと一軒の前で停車した。霊感のあるFと自分は確認しあった。

「ここが犯人の家」

とFはニヤリと笑った。

それから数時間。朝になっても、まだFは車を動かさないから、車内はそれなりに怖い話をしたりして、暇を紛らわしていた。もちろん、「ばばば」の名前をふせて、今回の話もした。検証っぽい事をしたりもした。

「ばばば」は目標を決めると、目標人物に夢を見させる。霊感がある人だと、「ばばば」は手っ取り早いそうだ。「ばばば」がどんな風に死んだかがその夢。

「かわいそうだ」とか思えば、思うほど「ばばば」は夢をたくさん見させる。自分の関わった「ばばば」は強烈な光を嫌っていたようだった。

おそらく、ひき殺されている夢等判断して、「ばばば」をひき殺した車のライトに見えるのだと思う。といっても、皆眠気を我慢していたので案外適当な事を言っていたのかもしれない、とか脱線しつつ話していた。

明け方、Fがいきなり、

「よく見とけよ」

と後部座席に座っていた残留してくれた他のメンバー2名に言った。1,2分もしないで人が出てきた。

「ばばば」をおんぶした若い人が自分達の車と反対方向に歩いていった。2人は何も言わなかった。

「『馬痲婆』って言うんだ」

と自分の後に続いて、Fはこう言った。

「あの足の痣、アレがやったんだ。『ばばば』も見たし、帰るか?」

2人が振り返って、もう一度「ばばば」を見ようとした。

「見るな、止めとけ」
「もう、日がのぼったのに見えてるんだろう?アイツをあの若いヤツから引き剥がしたら手がつけられない」
⇔戻る