定番…と思いきや

短いけど彼女が体験した話

彼女は幽霊とか信じるタイプだけど、その友人Aはどちらかというと信じない人。じゃあ見てみようかってことで一緒に某有名な心霊スポットに行ったそうな。

何でも女の幽霊を見ただとか、ナースの幽霊がとかなんとかの廃病院。ひとしきり徘徊したが特に何もなく、車に戻って一息ついてたら彼女が急に叫んだ。

Aが何事かと思って問い詰めるとルームミラーに何か変な影が写っているそうだ。見てみると血だらけで服装もぼろぼろな女が暗闇の中から走ってくる。

流石にAもびびり車のエンジンをかけドライブに彼女はもう半狂乱で早く車出して!とぎゃーぎゃーわめいたそうな。

サイドブレーキ外していざ!と思った時、Aが急に困惑した表情でルームミラーを見つめている。彼女はと言えばそんなのんきそうなAに腹が立ち

「どうするのよ!早く出してよ!」

とキレる。

しかしAは車を出すどころか女が来るのを待ち、窓も全開にして早く乗れ!と叫んでる。

もう彼女ガクブル、幽霊乗せる気か!いくら信じてないからってそこまでするか!と思ったがAは何を思ったかサイドブレーキをひき、車を出て女のほうへダッシュ。免許持ってない彼女は車の中でガクブルしてもうだめだ!呪われる殺される!とか思った。

そしてとうとう後ろのドアが開きAがその女を乗せるような音・・・と一緒に

「すみません助かりました!ありがとう・・・ありがとう・・・!」

って女の声がして。

彼女ぽかーん、友人すぐ運転席に戻り車発進。と思ったら今度は男の怒声みたいなのが後ろから聞こえてきたがAは構わず出発、すぐ警察署へ。

もうここら辺りから彼女も気がついたらしく、どうやら血まみれの女の人はレイプされかけてぼこぼこに殴られたらしい。命と貞操を守りなんとか逃げ切ったところに自分たちの車があったんだと。

もしあのまま逃げてたら、その女の人殺されてたかも・・・だそうだ。Aは幽霊をはなから信じてないから、そういう行動が出来たのだろうと。

警察まで行って帰り道Aは

「もう死んでるやつに殺されるなんて馬鹿らしい、こっちは生きてるんだ」

とか言ってて、彼女も彼女から話聞いた俺もすげー頼りがいある女だと思ったよ。

幽霊も怖いけど生きてるやつのがやばいって話でした。
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