新居

姉が結婚したので新居に引っ越しの手伝いに行きました。

そこは古い文化住宅なんだけど近所の人がやたら

「前はおばあさんが一人暮らしをしていたんだけど〜」
「息子がたまに来てたけど…」

とやたら説明しにくる。

裏口に周るとなぜか外から入れない様に板を[]の上に×と二重に打ち付けている。素人がやったと思われる雑なやり方だ。最初にそれを見た時に違和感を感じてゾクッとした。部屋に入るとおばあさんが使っていた皿や醤油などの調味料すべてまだ残っていた。

掃除を始めて一枚の畳を上げた途端

「ぎゃあー!」

と悲鳴が上がった。

白髪の束が大量に出て来たからだ。

気持ち悪いが契約してしまっているので我慢して姉は新生活をスタートした。だが夜な夜な、白髪のおばあさんの幽霊が姉の寝ている足下に立って姉を見下ろす。

しばらくして私と姉は変なことに気がついた。掃除しても掃除してもウジ虫の様な小さい虫がわいてくる。虫がわいている元を辿ってみたらあの裏口の辺りに辿り着いた。

「ここに絶対に何かあるよ」

と私は言った。

姉は私が帰った後、思い切って裏口の床板を剥してみた。



すると『腐敗して半分ミイラ化した片足』が出て来た。



本当にあった話です。
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