ソースに隠された本音
ちょっと昔の話しなんだけど、どこかで吐き出したいと思っていたやつを投下。
ある好きなサイトがあった。そこの管理人さんは絵も小説もすばらしくって、何より人柄がステキすぎる。その頃はまだBBS全盛期で、そこのサイトもBBSをやっぱり置いてあったんだが、どんな厨レスにも優しく対応。駄目レスにも優しく棘なく注意。その管理人さんと対話した厨が反省し、改心、そして生まれ変わった元厨がまたそこに通うということも何度も見た。
ああ見習いたいなあと思ってた矢先、その管理人さんが入院した。
「ちょっと入院してきます。更新はちょっと途絶えるかもしれません。ノートを持っていって、隙あらば日記くらいは更新できるかもしれないんですが、親とかリアル友人には同人サイトのことを隠しているので、たぶんあまり何もできないかと(笑)」
そんな感じのことが書いてあって、リンク解除のこととか書いてあった。詳しくは書いてなかったが、どうも最近行なったドッグでちょっと変なところがあって、大きな検査になるとのこと。ああ心配だなあと思っていた。
そして数日経ってちょこちょこ日記が更新されていった。その日記が何となく妙だった。言葉遣いとかは変わらなかったけど、何となく苛々しているように見えた。
検査が大変だからかもしれない。そう皆思って、BBSもお見舞いカキコや励ましカキコ、で埋まった。BBSの返答は全部できないのですが、みなさんありがとうございます。がんばります。そんな風に日記に最初は書かれた。だけど入院が続くにつれちょっとおかしくなっていった。
「がんばってとか言われてもよくわかりません。正直鬱陶しいです。こっちの身にもなれ。」
そんなことが書かれるようになった。あげくのはてに
「みんな私と同じ目にあえばいい。死ぬよりつらいよ。しねしねしねしねしねしねしねしね」
こんな感じな日記が続くようになった。
一時BBSも荒れたが、それも終わり誰もがそのサイトから離れていった。
当時、そのジャンルはそんなメジャーじゃなくヲチスレはなかったので、同人板のジャンルスレに晒された。今ほどURL晒しが駄目だという概念がなかった頃だったので、結構レスがついていた。キモイとか最低な管理人とかそんなことが書かれていたが、段々不気味になっていって、話題にするのがタブーっぽくなっていった。私も離れていった。
離れていって少し経ったある日、再びそこのサイトが晒されていた。何となく久しぶりだし、興味も手伝って行ってみると、あの酷い日記は消されていた。その上日記には
「ずっと入院中は結局何も更新できていなかったのですが、誰かが勝手に日記を書いていたようです。見苦しいものをお見せしてしまい申し訳ございません。長い間入院してしまったのですが、もう大丈夫です。すっごく元気がありあまってます(笑)まだここを見られている方がいるのかわかりませんが、もうここで更新することはないと思います。また心機一転別の場所でサイトを再開すると思います。サーチには登録するので、また機会がありましたら遊びにきてくださいね」
こんな感じのことが書いてあった。
それを見て本当に感動したことを覚えている。本当に好きなサイトさんだったので、心からよかったと思った。嘘だと思われそうなのだが、以前の人徳のおかげかBBSでは励ましのカキコで再び埋まっていた。
自分も書き込みをしようかと、その沢山のカキコを読んでいたのだが、一つのカキコに「(C)」とだけ書かれた妙なカキコがあった。その時はなんとも思わず、書き込みをし一旦閉じた。管理人さんは短いながらも全てのカキコに丁寧に返答をしていたので、少し経って再び開けたら、その「(C)」のカキコは消えていた。
その後他のサイトを回っていて、文字化けしているところのサイトにあった時、そこで「(C)」はソースだと唐突に気づいた。エンコードを変更しようとしたときソースの隣に(C)の文字があった。あれはソースを開くコマンドのことではないのかと思いついた。
再度サイトに行きBBSを見るが、やはりあのカキコはもう無い。とりあえずサイトのTOPのソースを見てみた。
目を疑った。一面夥しい数の「死ね」という文字があった。タグ内なので、ブラウザでは表示されていない。死ねという単語の中に、「気に食わない」「苦しい」「殺してやる」そんな言葉が時々入っていた。色んなページのソースを見たが、全部同じようなものだった。
BBSを開けば、自分のカキコに返信があった。
「カキコありがとうございます!優しいお言葉が凄く染みますよ〜><よかったらこれからも是非よろしくお願いしますね」
こんな感じだった。恐くなって、もう二度とそこのサイトには行かなかった。
少しして同人のジャンルスレではそこのサイトがついに閉鎖したことが書かれていた。名前を変えてサイトを再開するようだった。その名前は公開されていないとのこと。
それ以来、新しいサイトへ行くたび、その人のことが過ぎる。もしかして名前を変えたあの人なんじゃないかと思うとネサフがちょっとだけ恐い。
⇔戻る