仕掛けが現実に

男女4人が地元の廃ビルに肝試しに行くことになりました。ですがその廃ビルは幽霊が出る、等の噂はありませんでした。4人の内1人が内緒で肝試しを盛り上げる為に、日中に廃ビルに忍び込み怖がらせる為の準備をしました。

内容は廃ビルに入り最初の部屋の壁に赤いマジックで

「私は左の部屋にいます」

と書き、左の部屋には

「私は奥の部屋にいます」

と書きます。奥の部屋に行くにはT字路を通りますが、そのT字路の突き当たりの壁に

「私の頭は左の部屋に、体は右の部屋にあります」

と書き左の部屋の壁には

「頭はあなたの下に埋まっています、体は今こちらに向かっています」

と書いて、右の部屋には上記と逆の意味の言葉を書きました。

その日の夜、予定通り4人が集まり廃ビルの中に入りました。

最初の部屋に入り、仕掛け人は誰が文字を見つけるか様子を伺っていると、3人共気付かずに別の部屋に進もうとしたので、慌てて壁を指差しながら

「何か文字が書いてあるぞ」

と皆を呼び止めました。

皆が文字を見て、どうする、どうすると言いながら騒いでいました。

すると仕掛け人が、せっかく肝試しに来たんだから左の部屋に行こうと言いながら 左の部屋に入りました。

皆 少し怖がりながらも左の部屋に入りました。部屋に入ると皆キョロキョロしながら、部屋を探索し始めました。すると一人の女性が壁に書いてある文字を見つけて、次は奥の部屋だって と言いながら進みはじめました。仕掛け人は、みんな食いついてきた、と怖がる振りをしながら楽しんでいました。

すると、先頭を歩いていた女性が、T字路に付くと

「今度は左の部屋だって」

と言いながら左に進み始めました。

仕掛け人は、あれっ と思いながらT字路の文字を見ると、

「私は左の部屋にいます」

と書いてある。

びっくりして 立ち止まっていると、皆どんどん先に行ってしまう。

皆を追いかけながら色々考えた・・・自分が壁に文字を書いてから6時間位しか経過していないのに、こんな廃ビルに赤いマジックを持って来る人がいるはずがない。それに壁に書いてある字は明らかに自分の字ではない。女性の字だ。

言葉にならない程の不安を感じて、皆に もう帰ろうと呼びかけても 笑いながらどんどん進んでしまう。

先頭の女性が、何の迷いも無く左の部屋の扉を開けて中に入り、皆も続いて中に入った。皆が壁に書かれている文字を探し始めたが、仕掛け人はこの状況を皆に説明できずにただ、壁に書かれている文字が何なのか、怖いイメージを膨らませながら震えていた。

すると皆が壁の方をじっと見ている。震えながら その文字を見ると

「次はおまえだ 今から行きます」

と書かれている。その文字は明らかにマジックではなく、血 で書いたような赤黒いイビツな文字。

その文字を見るなり、仕掛け人は悲鳴を上げながら来た道を全力疾走で逃げて行った。皆もその後を追ったが、消えてしまった様に姿は無く周りは静まり返っていた。

数日経っても家に帰ってこない為、警察に捜索願を出し、事情を説明した。その後警察から連絡が入り、警察署で事情を聞くと、廃ビルの中のT字路の右の部屋で頭が無い遺体を発見した。頭部は今も捜索中です。と説明を受けた。

廃ビルに一緒にいた3人はしつこく取り調べを受けたが、事件未解決のまま今も頭部は発見されていないそうです。
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