サタケ・ヤマダ

去年の夏の話。あまりにも気持ち悪かったのではっきり八月十三日(土)と覚えてる。私はバイト帰りの夜道を歩いていた。すると私のケータイに友人の番号から電話が入った。

友?「もしもしぃ?」
私「…はい」

男の声だ。喪女な私に男から電話がかかってくる訳がない。友人も同じく喪女で彼氏がいるはずがない。見間違いかな?そう思いディスプレイを見るとやはり友人から。

私「H美?」
男「電話番号何番?」
私「はい?あなたがかけてきてるんでしょ?」

あまりの意味不明さに私は電話を切った。するとまた架かって来た。今度は非通知で。変な好奇心がわき、私は電話に出た。また例の男だった。

男「かけてくんなこの野郎!」
私「なんなんですか?あなたがかけてるんでしょ?」
男「ああ」

男はその事実を認めた。

私「誰なんですか?」

私が聞くと男は罵声を吠えまくったあとに

男「俺はヤマダだ」

こう言った。ヤマダなんて名前の男は私の過去の知り合いにはいない。気持ち悪かったのでそのまま切った。

すると数分後、また友人のケータイから電話が。私は不気味で気持ち悪かったのもあったけど、やはり真実を知りたい。男友達なんているはずのない友人の番号からかけてくる男。もしかしたら友人が変な事件に巻き込まれてるかも…。そんな不安がよぎり、電話に出た。

すると今度は恐らく別の男の声。さっきのヤマダのヤンキーじみた声とは違い、なんかおっさんくさい声だった。

男「君どこにいるんだ?」
私「あなた達一体誰なんですか!?なぜH美のケータイ使ってるんですか!?」
男「どうでもいいよ」

その言葉が余計な不気味さを感じさせた。

私「あなた、誰?」

おそるおそる私はその男に聞いた。するとその男は得意げに

男「俺はサタケだよ」

…サタケ。そんな名前の知り合いも一人もいない。マジで怖い、気持ち悪い。しかしそのあと追い撃ちをかけるような言葉がはっせられた。

サタケ「調べてやっからな」
私「な、何をですか?」

声が震えていたと思う。

サタケ「お前の居場所だよ、待ってろよ」

私の恐怖心はマックスまで達し、すぐさま電話を切った。警察に相談しようと思ったがその前に友人の安否が知りたい。そう思った私は、家が近かった友人の家を訪れることを決意した。ピンポーン。チャイムを鳴らすと

「はい?」

と友人の声。まだ安心できない。

私「H美?私だけど…」

声で私とわかったのか、除き穴から見たのかとにかく私とわかったらしく友人はすぐさまドアを開けた。…元気な友人の姿を見て私は方の荷がおりる気持ちだった。

私は彼女にさっきあった全てを話した。もちろん彼女は知らないとのこと。友人もその話を聞いて少し怖がり、いつもより暗かった。しかし数日後にはいつもの友人に戻っていた。

人生で一番不可解で気持ち悪い体験だった。ヤマダとサタケはこの世のものだったのか?もしそうならどうやって友人のケータイからかけてきたのか…。様々な疑問が残る中、私は解決してないなにかを思い出した。

「待ってろよ」

そのサタケの言葉は思い出すだけでいまだ私を恐怖感を引き立てる



※ネタバレ

⇔戻る