最後のメッセージ
お母さんから聞いた話。
昔、あたしの家族はアパートに住んでいたのですが、管理人さんは1Fに住む老夫妻。よく飴をくれたりと可愛がってもらったものです。
この老夫妻にはもちろん離れてはいても家族がいたと思いますが1番の家族は長い間一緒に過ごしている1匹の年老いたオウム。
特に奥さんが可愛がっていてオウムも「ママ」と話したりするくらいなついていたそうです。
鳥って結構長生きするらしく、本当に年寄りで羽根とかも結構ボロボロ
「お前と私、どっちが先に逝くかしらね?」
などと話しては夫婦でよく笑って、楽しく過ごしていました。
ある日、奥さんが居間で縫い物をしていると年老いたオウムが突然
「ママ!ママ!」
と甲高い声で何度も奥さんを呼ぶそうで奥さんも
「はいはい」
なんて言いながら、ベランダのほうにおいてあるオウムのカゴのほうへ悪くなった足をゆっくり動かしながら行ってみるといつも止まり木にいるオウムがカゴの下に目を閉じて横たわるように倒れていました。
もう年寄りだとは言え、いつも元気よく毛づくろいしていたオウムがぐったり横たわっていたので奥さんはとても動揺していましたがどうしたらいいのか分からない。
奥さんがカゴを覗き込むとオウムはパッチリと目を開けて
「ママ、ママありがとね。ありがとね」
と言って、眠るように死んだそうです。
長くなりましたが、繰り言とは言え言葉を覚える鳥ってすごいな〜と幼心ながら感動してしまいました。
⇔戻る