懐古
私は弟の話。先の妹さんの話と同じように、私の弟も小学校で亡くなりました。一緒に学校に行き、帰ってくれば一緒に遊び、喧嘩して、、毎日毎日、コロコロと遊んでいた記憶は今も消えることはありません。
弟が亡くなる前、学校から帰っておやつの事で喧嘩になった。帰ってから食べられるように、いつも母親が戸棚におやつをしまっておいてくれるのだがその日は私の大好きな店のみたらし団子だった。
たまたま弟より先に帰ってきた私は我慢ができず、弟の分も全部食べてしまったのだ。弟も同じくその団子が大好物。当然、弟大泣き&大喧嘩となった。
小さなことかもしれないけど、私はそれがずっと気になっていた。
こんな事になるなんて、なんで!?という気持ちとともに、せめて団子くらいあいつに俺の分もあげれば良かった!と。
葬式が終わってからも、ずっと気になっていた私は弟のお供えに、あのみたらし団子をあげたいと母親に話した。
わけを話すと母親はすぐに買いに行ってくれた。私の分も買ってきてくれて、とりあえずいつもの戸棚へ、、お墓に供えるつもりだったので、用意をしたりしてから団子を取りに行くとなぜか戸棚からその団子がなくなっていた。お供えの分も、私のおやつの分も。
結局、お墓には買いなおして持っていったのだが思えば弟が食べたのだろう。あの時の仕返しの意味も込めて、私の分もペロリと。
うまかったか?悪かったな、あの時お前の分も食っちまって、、これであいこだぞ。
でも、団子なんか全部食っていいから、
俺のおもちゃも全部使っていいから、
笑ってくれよ、
喧嘩してくれよ、、
頼むから帰ってきてくれ。
心から、そう思った。
たまらなかった。
親もいるのに、墓の前でわぁわぁ泣いた。
もう酒も飲める歳になった今も、弟とこうして飲めたら、、と思う。
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