口寄せ

うちの母は、五回も子供を流産した末に私を生んだ。祖母は母に生きてるうちに孫が見たいといってたが生まれてくる三日前になくなったそうだ。 俺は「生まれ変わり」といわれ親戚中から愛された。

祖母の話もたくさん聞かされた。気丈で負けん気が強くて女だからといわれるとめっぽう怒ったそうだ。女でひとつ農家の地主として先頭に立ち、親父を育て上げた。

「次は男に生まれたいっていってたからなー」

と親戚中がいってた。

その仮説はある日親戚中の確信に変わった。

親父が盲腸になった。病気ひとつしたことない親父は子供みたいにだだをこねて手術室にいこうとしない。そんな中なんかとっても懐かしい感じで気持ちよくなった。自分の意思とは関係なく口が動く。

「幸一(親父の名)いづまでもおぼごみだいなごどいうな!!」

と俺が怒鳴り散らした。その口調は聞きなれた祖母の強い口調そのものだったらしい。目を丸くする親父。母は

「母ちゃん・・」

といった。ふと我に返った。

俺が一番きょとんとしていた。親父の手術は無事終わった。くしくも次の日は祖母の命日だった・・・

「一日早く来るなんて祖母らしいとみんな笑った。」

祖母は色盲で青が見えなかったらしい。親には言ってないが実は俺も色弱で道路標識の青看板が全然見えない。
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