心が宿るサーバ
心霊ではないかもしれないけど。
俺は某会社でシステム関連の仕事なんてのをやってるんだけど、先日、8年間稼働していたマシンが壊れてしまった。
このサーバマシンとは、色々と修羅場なんて言うのはおこがましいけど、コイツとは苦境を共にしてきた。選任の管理者手動で、ものすごい安価で購入しただけあって、本当に、手間のかかるマシンだった。
先日、ちょっと立て込んで午前3時頃まで仕事して帰ろうとすると
「FTが孤立化しています」
というようなダイアログが表示されていた。
「ああ、ミラーの片方が吹っ飛んだな」
と分かって、その後、サーバに保存されていた全データを移動する作業に入った。
午前6時頃まで作業して、仮眠しようと机の上に横になると、山のようにサーバマシンからの警告メールが携帯に届いてた。
何となく、これだけメールが届いていると
「ヤバいんじゃないか?」
というような気がして、仮眠を取らずに朝8時まで作業をして、上司に状況を説明した上でサーバを再起動した。
案の定、サーバは再起動しなかった。
サーバの電源を強制的に切断して、仮眠室に入った俺は、1つ1つ、サーバから届いた「ディスク異常」の警告メールを削除していた。
そして、故障したサーバとの8年間なんてを思い出しながらウトウトしていると、突然に携帯にメール。びっくりして見ると、それはサーバからのアラームメッセージだった。まさか、電源は入っていないはずだと内容を見ると
『サーバはディスク障害から復旧しました』
と書かれていた。
その後、確認したけど、サーバを起動した人は誰もいない。サーバはHDDの障害で起動しない。俺の携帯に届いたメールは、俺の中では永遠の謎になった。
俺はシステム系の仕事をしているから、あんまり、マシン関連で非科学的な事は考えないようにしているんだけど、何となく、ちょっとだけマシンに心があって、8年間を共にしてきた俺にサーバが
「まあ、がんばれよ」
みたいなメッセージを送ってくれたのかな、なんて勝手に思ってる。
あの世では、ヤツはあっちの世界の管理者に迷惑かけないように、ファイル共有しているのかな。
とそんな、ちょっと不思議な話を体験したもんで、書き込ませてもらいました。
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