第九十九話

語り部:パチ ◆yeowI6sCZU
ID:rsjVbeeW0

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母の話

自分がまだ小さい頃の話。

その日、父は法事のため親戚の家にでかけていた。夜になり食事をご馳走になりそのまま酒を勧められ断るわけにもいかず頂戴した。

酒を飲んだ以上、車で帰るわけにもいかず、仕方なく自宅にいる母に連絡し迎えに来てもらうことにした。

母は、まだ幼かった自分達兄弟を車に乗せ、親戚の家へと出発した。

母は元々霊的なものには敏感で、親戚の家へと向かう途中にある火葬場に差し掛かると嫌な感じがしたという。その時にはもう夜は更けていて、幼かった兄弟は車の中で寝ていたらしい。

母は心細かったが子供達を怖がらせないようにと自分達兄弟を起こさずに運転していた。それが親戚の家まで20分程の道程だが、なかなか到着しない。時間が経つにつれ、母は気付いてしまう。さっきから火葬場の周りをぐるぐると周り続けていることに。

しばらくして、対向車を発見しホッとして助けを請おうとすると対向車の運転席には誰も乗っていない。

母は気が動転し、もうどこをどうやって走ったかは覚えていなかった。

気が付くと、母は親戚の家のある村へと着いていた。

親戚と父はは何時まで経ってもやってこない母を大変心配していた。母がやっと到着した時刻は電話してから2時間以上経っていたのだから

【完】
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