第九十八話

語り部:辰砂 ◆DQdWMurCSc
ID:vqD15/5n0

【098/100】

友人の魔道書の話は書きあがらなかったので短いほうで。

やはり同じ友人から昔聞いた話です。彼の言うことには、中学の修学旅行のとき、同室のメンバーと百物語をしたのだそうです。

その友人の言によれば、百個の電球を持ち込んだということですが、法螺吹きの気のある人でしたし、怪談が電球ぶんもったとのことなので、実際はかなり少なかったのでしょう。

さて、ともあれ首尾よく電球ひとつをのこして怪談を語り終えたとき、言い争いになったのだとか。すなわち、ここでやめるか最後の話をするか。

その論争のさなか、ひとりが

「最後まで話しちゃったらほんものがでるから、途中でやめなきゃいけないの!」

と叫んだ瞬間。

さいごに灯っていた電球が、消えたそうです。

【完】
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