第六十六話

語り部:いぬばか
ID:B5B13T1BO

【066/100】
『笑顔』

友人のおばあちゃんの話

Sおじちゃんが死んだ時、おばあちゃんの枕元にSおじちゃんがうつむいてとても悲しそうな顔をして立っていたそうです。

その時は、それだけだったそうですが、数年後、おばあちゃんはリアルな夢を見たそうです。

その夢の中にはなぜか現実にはないデカい観葉植物がある家の玄関が出て来た、そしてちょっとだけ扉が開いて、嬉しそうににこにこと笑っいるSおじちゃんが覗いたそうです。

Sおじちゃん成仏できたんだ、と思っていると後ろの方誰か居ることに気付いた。それは親戚のAおばちゃんだったんだそうです。Aおばちゃんはこの世のものとは思えない悲しい顔をしていたそうです。

おばあちゃんが

「あっ」

っと言うと二人は消えた。そしてその日、Aおばちゃんの訃報が入ったそうです。

友人はこの話の後に、

「多分なくなった人を必要以上に惜しんじゃいけないっていうのはそういうことなんだろう」

と言っていました。

【完】
⇔戻る