第五十五話

語り部:ハニャンノ ◆hZTQ6i1tlw
ID:pvt05iR00

【055/100】
怖いっていうのは

怖いっていうのはね、怖いから怖いと思うの。怖くないと思えば怖くない。でもなんだか怖くないと思っていても怖くなるのは心のどこかで怖いと認識しているから。

どうして恐怖を怖いって認識するかは、これ動物の本能なのよね。怖いのからはさっさと逃げないといけない。それをふまえてから聞いてね。

それは俺が小学校のころだったね。夜なのにセミがうるさい夏の夜。その日に俺はクワガタを採りに行ったのよね。

俺は友達と一緒に行っていたんだが途中ではぐれてしまった。気がつかずにさらに進んでいくと人がいなくなって木だらけになってるし。しかも廃屋あるし。気分が悪くなっていく。

そうしていたら車が前から走ってきたの。それでちょっと安心。適当に歩いていると神社みたいなところに着いた。これが本当に不気味人はいないし蛾が飛び交ってるし。うわーって気分なわけです。マジで。

そうしていたら後ろに人がいる気がしたんだよね。それで振り返ってみたらいた。しかし俺はそれが人とはとても思えんかった。

全力で逃げていると車があってそこから人が降りてるの。俺はさらにスピードを出して逃げ切った。まあ5分ぐらいで普通の道について思いっきり逃げた。

それからは家の自室にこもってふるえた。本当に怖かった。

次の日に昼間だからと友人と一緒に行く。そうして奥の神社に行ったらおっさんに怒鳴られた。どうやら昨日に俺が見た人間とは思えなかった存在は神社の神主さんみたいだった。顔は見られてた。

車はもう移動したのだろう。なかった。廃屋もあった。中にはエロ本以外特になかった。多分俺たち以外に来たやつの落し物だろう。

で帰ろうとしたときに目の前にこうもりみたいなのが飛んできて思わず叫んでしまった。それがどうなったは怖くて見れなかった。

怖かったんだ。凄く。タイミングも絶妙すぎるし。

廃屋にこうもりがいるかなと深く考えてしまうのも怖いと感じているから。普通にいると思う。

でも深く考えるのは何でだろう

【完】
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