第五十話

語り部:エソ ◆CQai/AiFaI
ID:jfcR3Cb90

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『しかばね』

知り合い(A)の体験談。

Aの家は代々続く農家の分家です。本家は大変なお金持ちだそうで、山も所有していました。

Aが小学校の頃に、本家は山を市に売ってしまいました。(開発の申し出があったそうです)

その山は、遠い昔から受け継がれてきた山で、一家の墓も全てそこにありました。

当然、開発するには山を崩さねばなりません。お墓も掘り起こすことになりました。

本家も分家も、総出でその様子を見守ることになりました。

順調に土が掘り返されていきます。次々に土の山が築かれていきました。

ある地点から、どんどん骨が出てくるようになりました。骨、骨、骨また骨。頭蓋骨も数え切れないほど出てきました。

まあ、その後全て火葬しなおして、お墓も作り直したのですが。

その夜。自分の家に帰り寝ていると、頭を誰かが叩いてきます。おきて、見回してみても誰も居ません。変わったこともありません。

その後、眠りに就いてもその度頭を叩かれ、結局一晩中寝れなかったそうです。

どうやらその現象は、分家、本家に関わらず、Aの一族ほぼ全員に起きたんだとか。

今でもたまに、おかしな夢をみたり、何も無いところで頭を叩かれたり、ということがあるのだそうです。

【完】
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