第三十三話

語り部:マジパコりてぇ ◆VkjrnMZynA
ID:9F/bdvmJ0

【033/100】

あれはですね今から2年前、当時中三だった俺の実体験です。

その日俺たちの学年は、思い出キャンプという行事で県内にある九重少年自然の家に行ってました。その日は偶然にも他の客が居なかったので、夜はいくら騒いでも怒られなかった。

夜…俺の班は部屋でワイワイ騒いでいた。



「・・・・ぅおおおぉぉぉぉ!!!!」



突然だった。

俺の部屋から1番遠い部屋のメンバーが駆け出してきたのだ。どうした、どうした?と俺の班のメンバーはドキドキして、飛び出した部屋のメンバーに話を聞きに行きました。

「ゆ、幽霊がでた!!」 は?俺の班は全員が顔を見合わせ、笑った。

「はっはっはっは!そんなん見間違えやろ?w」 「本当だって!マジででt・・・」



――――…・・・うわああ!!!
――――…・・・ぎゃぁぁぁ!!



さっきよりも大人数の悲鳴が聞こえました。ワンテンポ置いてから



「うわああおおおおお!!!!」



野球部顧問の声でした。声のデカイ先生だったので、声に驚いてしまいました。

みんなの話を聞いてみると、悲鳴とその部屋のメンバーの話で、周りの班の奴が集まってたらしい。そしたら本当に「出た」と言っていた。みんなが悲鳴で出たあと、野球部の顧問の先生が一人で入ったあとも、目撃したらしい。

話をまとめると、どうも男の子の霊らしい。窓の外を「スーッ・・・」と滑るように通るらしい。

建物は山の斜面に建っているので、窓の外は1mくらいの段になっているにも関わらず、霊には下半身が見えたそうです。

その時、ヤンキーとまでは行きませんが、野球部のやんちゃな奴が

「おらぁ!」

と言って窓を開けて外を見たそうです。しかし、外にはなにもいなくて、急に怖くなってきたそうです。俺も彼のあんな青ざめた顔を見たのは最初で最後でした。

翌日の午前中、クラスマッチでドッチボールをしていたとき急に彼が

「いてっ!」

と倒れこんでしまいました。彼は足の靭帯を切断していたそうです。彼は先生の車で最寄の病院へ直行。エースの彼を失った我がクラスは決勝で惨敗でした。

帰りのバスの中では彼の話題でいっぱいでした。みんなが

「呪いだ」
「あんな事したから呪われたんじゃね?」

と騒いでいました。

あの施設は確かに幽霊が出ると聞いていました。確かに血の跡もある部屋もありました。

果たしてみんなが見た人影は何だったのでしょう・・・?なぜ「影」だったのにみんなは口をそろえて「男の子」と答えたのかはわかりません。

数ヵ月後、復帰した彼の活躍もあり野球部は県大会で優勝しました。

【完】
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